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不当解雇に抗議した中国朝鮮族に1億100ウォンを要求するサムスン物産

登録:2014-07-20 21:34 修正:2014-07-21 10:09
建設労組は去る15日、ソウル瑞草洞(ソチョドン)の三星(サムスン)物産前で記者会見を行い、チ氏とハン氏に対する1億100ウォンの損害賠償訴訟を糾弾している。

韓国人と結婚して韓国籍を得たチ・チョルス氏
建設下請け業者で肉体労働者として働いたが
会社側が団体交渉の労組メンバーを狙い撃ち解雇
同僚と一緒に復職を求めて20日間のクレーン籠城
サムスン物産は「工事に支障をきたした」として賠償請求

 京畿道(キョンギド)富川(プチョン)の建設現場で建設労働者として働くチ・チョルス(38)氏の故郷は中国吉林(チーリン)省の延吉(ヤンジ)だ。 韓国で現在の夫人であるナ・ゴジャさんに出会い、2007年に結婚して韓国籍を得た。 肉体労働の辛さも一人娘(7)の顔を見れば忘れられた。 だが、最近の彼の表情に陰りが見られるようになった。今年5月、巨大企業の「サムスン物産」(サムスングループの建設会社)がチ氏と彼の同僚のハン(42)氏を相手に、1億100ウォンの損害賠償訴訟を起こされて以来のことだ。

 耐えがたい日々が始まったのは今年初め。 チ氏は富川でサムスン物産が施工を受注したアパート建設現場で型枠大工として働いていた。 サムスン物産と鉄筋やコンクリートなどの骨組工程の下請け契約を結んだ「ウォンヨン建業」との間で勤労契約を結び、設計図面どおりに型枠を組んだ。 2月頃、彼が属す「全国建設労働組合」がウォンヨン建業側に日当1万ウォンの引き上げと一日の労働時間を10時間から9時間にする団体協約を結ぶための交渉を求めた。

 団体交渉は憲法上の労働3権の一つであり、結果はどうあれ交渉そのものに問題はないと考えた。ところが、受け取った返事は、約100人の型枠大工のうち建設労組に属す21人を2月28日付で契約解除するという解雇通知だった。キム・テボム建設労組京畿中西部建設支部長は「通常、建設労働者が結ぶ勤労契約書は、該当する工事が終わる時が勤労契約の終了日となる。内容が明示されていない契約書の最下段に署名捺印だけして会社に提出させている」と語り、労働組合員を狙い撃ちした不当解雇だと主張した。

 会社側の措置に反発したチ氏とハン氏は3月4日、原職復帰を求め、建設現場にあった高さ50メートルのタワークレーンに登り籠城した。 21人のうち彼ら2人が行動を起こしたのは、業務能力を認められチーム長と班長という職務を任されていた責任感からだった。だが、籠城20日目の3月24日、二人は地上に降りなければならなかった。籠城期間中の相応の賃金を受け取ることを決め、復職も団体協約の締結も実現しない憂鬱な結果だった。

 他の現場に移って仕事をしていると、彼のもとに訴状が舞い込んできた。サムスン物産の訴状には「被告の無断占拠期間にタワークレーンを利用できず、工事の進行に支障をきたした。そのため労働者の投入や移動式クレーンの設置など、追加費用により損失が発生した」とあり、1億100ウォンの損賠請求理由が記されてあった。民事賠償の訴訟価額が1億ウォン以下は高額単独事件、1億ウォン以上の場合は合議事件となる。訴訟を起こす側は、裁判の途中で裁判所を変更されるのを防ぎ、迅速な裁判を実施させるため、賠償額を1億ウォンに100ウォン上乗せすることが多い。

 チ氏は20日、『ハンギョレ』との電話インタビューで、「中国から持ってきたこの身一つでその日暮らしを続け、大韓民国では日雇いで熱心に働き、誰にも迷惑をかけずに暮らしてきたのに、1億ウォンを支払えとは…。弱者は黙って死ぬしかないのか」と話した。

チョン・ジョンフィ記者 symbio@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/647693.html 韓国語原文入力:2014/07/20 19:41
訳J.S(1548字)

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