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[社説]見苦しいサムスン家の財産争い

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/519195.html原文入力:2012/02/15 19:10(1372字)
 サムスンの兄弟どうしの財産争いが広がった。サムスンの創業者である故イ・ビョンチョル会長の長男のイ・メンヒ氏が三星生命などの匿名株式に対する相続権を掲げて一昨日弟であるイ・ゴンヒ サムスン会長を相手に返還請求訴訟を起こしたのだ。返還を望むという株式の価値が何と7000億ウォン台に達するうえ、国内最大財閥の兄弟間の財産争いという点で世間の注目を集めている。サムスンはこれを個人的な民事訴訟として扱おうとするが、そうばかりには見難い。

 このメン・ヒ氏が訴状で明らかにした主張の主旨は、先代会長が生前に匿名で管理してきた三星生命とサムスン電子の株をイ・ゴンヒ会長が他の相続権者に隠したまま単独名義で実名に転換したということだ。イ・ゴンヒ会長が株式を実名に転換した後にも、どのように処分、管理しているのかきちんと明らかにしていないという主張も付け加えている。問題の借名株式は、2007年のキム・ヨンチョル弁護士のサムスン秘密資金暴露と、それ後に続くサムスン特検捜査で明らかになった。
 イ・メンヒ氏が今頃になってこの株の相続権を主張してきたことに対して、サムスン側はとまどいながらも、企業経営とは関係ないこととして熱心に矮小化しようとしている。またイ・ゴンヒ会長が譲り受けた匿名株式はグループの代表理事資格として取得したものなので相続権争いの対象になりえないと主張している。ただしサムスンとしてはこの問題が大きくなる状況が負担に感じられるだけに、このイ・メンヒ氏側と水面下の話し合いを試みるものと見られる。
 しかし今回の騒動は一過性の話題で終わるものでない。まずサムスン特検がきちんと明らかに出来なかった便宜的な経営世襲のまた別の内幕を垣間見ることができる。法廷紛争の結果と関係なく課税当局が乗り出さなければならない問題もある。経済改革連帯はイ・メンヒ氏の訴状や三星生命の監査報告書を調べたところ、三星生命の匿名株式のうち半分ほどはイ・ビョンチョル会長の死亡の後匿名なったことが明らかになったと明らかにした。それなら相続税の課税の時効(15年)が過ぎたというサムスンの主張は前提自体が成立しない。国税庁は事実関係をきっちりと調査して、未収の税金があれば厳正に賦課しなければならない。
 イ・ゴンヒ会長一家が保有した三星生命株式の性格も論議の対象だ。厳密につき詰めれば三星生命の相場価値の増加は1000万人を越えるこの会社の契約者のたまものだ。イ会長と一家の直接投資額はすべて合わせてみても100億ウォンもならない。会社が契約者のお金としてふやした資産の一部を株主の持分に回し総帥一家の財産が数兆円台に雪だるま式に増えたのだ。こういう‘社会的資産’をめぐって兄弟どうし法的な争いを行うというのは非難されるだろう。
原文: 訳T.W