警察が13日、マーク・リッパート駐韓米国大使を襲ったキム・ギジョン(55・拘束)に殺人未遂・外交使節暴行・業務妨害の容疑を適用して事件を送検した。国家保安法違反の疑いは適用しなかった。 警察は捜査本部を維持し、キム・ギジョンの保安法違反と共犯の有無など継続捜査することにした。
襲撃事件捜査本部(本部長キム・チョルジュン ソウル地方警察庁捜査部長)は午前、捜査経過ブリーフィングで「キム・ギジョンの北朝鮮同調および反米指向がリッパート大使を攻撃する極端な行為につながったとみられる」と明らかにした。警察は「キム・ギジョンが『普段から反米感情を持っていたが、リッパート大使が米国を代表する象徴的人物なので犯行対象にした』と話した」として、北朝鮮同調の根拠として7回の北朝鮮訪問、金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長焼香所設置時も行事に参加、利敵団体が所属した団体の記者会見などに6回参加した点を挙げた。
警察はキム・ギジョンが犯行前にリッパート大使のブログと刑法を検索するなど、「事前に緻密に準備した」と明らかにした。 また「刃物を頭の上まで上げた後、打ち下ろすように攻撃した」という目撃者の陳述などに基づいて「本人の主張とは違い、殺人の故意性が認められる」と話した。
捜査初期から朴槿恵(パク・クネ)大統領などが言及した“背後勢力”は確認されていない。 警察はキム・ギジョンがリッパート大使講演の招請状を受けた先月17日以後、3回以上通話した33人のうち、スパイ罪で処罰を受けた人物と利敵団体構成員がいることを確認し、関連性を調査している。 キム・ギジョンと弁護人は「訪北は政府が許可した合法的なものであったし、金正日焼香所を設置しようとしたことはない。 警察が押収した北朝鮮書籍は研究用」と主張している。