不正請託及び金品授受禁止法、圧倒的賛成の可決翌日に早くも修正論
補完の方向バラバラ...世論に押されて処理した後、矛盾する態度
在席議員247人のうち賛成226人。 91.5％という圧倒的賛成率で、3日、国会本会議を通過した「キム・ヨンラン法」（不正請託及び金品授受禁止法）をめぐり、与野党からは通過からわずか一日で「修正しなければならない」、「補完しなければならない」という主張が沸き起こっている。キム・ヨンラン法に違憲と過剰立法など問題が多いとしながらも、世論に押されて急いで通過させた結果がもたらした拙速かつ無責任な態度だ。与野党と各議員が考える修正・補完の方向もバラバラで、混乱は大きくなる一方だ。可決直後の4日、大韓弁護士協会がキム・ヨンラン法の違憲可能性に対する憲法訴願を提出する方針を明らかにしたことで、波紋が広がっている。また国民権益委員会は、国会の立法過程で抜けた「利害衝突の防止」部分を再挿入するための法制定を再推進すると明らかにした。
ユ・スンミン セヌリ党院内代表は4日、党の最高委員・重鎮連席会議でキム・ヨンラン法について「立法の不備や悪影響については、謙虚な姿勢ですべての声に耳を傾け、今後1年半の準備期間中に必要に応じて補完するつもりだ」と述べた。ユ院内代表は、「党の国会法制司法委員、政務委員、法律支援団長などと十分に相談し、政府の施行令の準備過程も綿密に調べて政府·与党が協力するつもり」だと付け加えた。新政治民主連合所属のイ・サンミン国会法制司法委員長も同日、ハンギョレなどとのインタビューで、「問題点についてはすぐ修正作業に入らなければならない」としたうえで「今から修正を開始しなければ、1年6カ月後に正常に実施できない」と述べた。
与野党は違憲、過剰立法、公平性、曖昧性の理由を挙げて修正補完する必要性を提起している。しかし、その方向は全く違う。民間の領域である報道機関従事者まで法の適用対象に含めたことに対して、イ・サンミン法司委員長は「言論の自由を萎縮させる可能性がある」とし「公職者に限定しなければならない」と主張している。一方、セヌリ党のチョ・ヘジン院内首席副代表は、「公益的な機能を理由に報道機関を含めただけに、公益的機能をする市民団体、医師、弁護士、労働組合などに広げるのが公平だ」と話した。セヌリ党は、100万ウォン（約10万9000円）を超える金品を受け取った場合に職務関連性とは関係なく刑事処罰するようにした条項、配偶者の金品授受の事実を申告しなければ処罰する条項の二つが刑法と衝突する点を修正しなければならないと主張している。ところが「公職者は、職務関連性がなくても処罰する」というのがキム・ヨンラン法の核心なので、補完の過程で法案の根本趣旨まで損なわれる懸念も出ている。
不正請託の禁止と関連して「許される7つの請託」と「禁止される15の請託」を規定したことについては、与野党から「もっと細かく規定しなければならない」という主張と「より包括的に規制しなければならない」という声が飛び交っている。すでに国会政務委員会・法制司法委員会の議論された内容と、与野党の院内指導部による交渉で問題になったものが通過後にもそのまま続いており、目指すところがそれぞれ違うだけに、修正も困難を極めることを予告している。国会を通過したキム・ヨンラン法を補完する必要性はあるが、修正の過程で法案を有名無実にしたり、公平性を理由に対象を無作為に拡大する可能性も指摘されている。セヌリ党のある議員は、「世界的に前例のない法を世論に押されて処理した結果、このような事態に至った」と嘆き、「今からでも白紙に戻して議論した方がいいが、政界はまた、世論を恐れてなかなか修正に乗り出せないだろう」と述べた。
イ・ソンボ国民権益委員長はこの日の記者会見で、違憲性をめぐる論議について「何の問題提起もなく、大きな拍手の中で通過されたら良かった」と残念な気持ちを表し、「今後施行令制定過程でこのような議論が解消されるように努力する」と述べた。また、当初キム・ヨンラン法案に盛り込まれていた利害衝突防止部分が除外されたことについて「何らかの形で一緒に実施されなければならない」とし「国会常任委でも近いうちに審査に着手するだろう」と述べた。
韓国語原文入力: 2015.03.04 19:42
