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腐敗清算への第一歩、韓国で不正請託及び金品授受禁止法が可決

登録:2015-03-03 23:18 修正:2015-03-04 07:01
 賛成226・反対4で本会議通過
 「キム・ヨンラン法」が来年9月から施行
 市民団体「裏金・接待・請託など悪習の鎖を切り落とす機会」
不正請託及び金品授受の禁止に関する法律案(キム・ヨンナン法)に対する与野党の議員の表決結果が3日午後、国会本会議場電光掲示板に表示されている。イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 公職者180万人と配偶者など約300万人が直接的な影響を受けることになる、いわゆる「キム・ヨンラン法」(不正請託及び金品授受禁止に関する法律)が3日、国会本会議を通過した。キム・ヨンラン法は、今後1年6カ月の猶予期間を経て、来年9月から全面施行される。

 与野党はこの日の午後、国会本会議を開き、議員247人が出席した中、賛成226人、反対4人、棄権17人でキム・ヨンラン法を可決した。セヌリ党のクォン・ソンドン、キム・ヨンナム、キム・ジョンフン、アン・ホンジュン議員が反対票を投じた。

 この日可決されたキム・ヨンラン法の核心は、公務員と私立学校教職員、マスコミ従事者などは、職務関連性とは無関係に同じ人から1回に100万ウォン(年間300万ウォン、約32万7400円)を超える金品を受け取ると、無条件に刑事罰(3年以下の懲役、金品など価額の5倍以下の罰金)に処する内容だ。職務関連性のある人から100万ウォン(約10万9000円)以下の金品を受け取ると、過怠料(2〜5倍)が賦課される。現行法では、公職者本人が金品を受け取った場合に限り、対価性と職務関連性の両方が証明されなければ刑事処罰することができないが、これからは高額の金品の場合、職務関連性に関係なく処罰できるようになる。

 キム・ヨンラン法が国会を通過したことで、これまで公職者を対象に行われてきたゴルフ接待や食事、酒席など各種請託と接待文化にもブレーキがかかるものと見られる。これだけでなく、人脈管理などの従来の慣行にも革命的な変化が予想される。

 市民団体はこの日、歓迎の意を示した。イ・テホ参与連帯事務局長は「キム・ヨンラン法は、これまで公職社会で慣行という名で容認されてきた不正請託や金品授受が、今や処罰受けなければなら不法行為という基準を提供する法だ。法制定を歓迎する」と述べた。ユ・ハンボム韓国透明性機構事務総長は「家族の範囲を少なくとも直系尊・卑属ではなく、配偶者に限定したのは残念だが、1年6カ月の猶予期間中に法の実効性を確保できるように施行令などを整備する必要がある」と述べた。経済正義実践連合も「キム・ヨンラン法が腐敗共和国の汚名を返上するきっかけがなければならない」と歓迎した。経実連は「立法過程でジャーナリストや私立学校の教師をも対象にするなど、過剰立法と違憲有無をめぐる議論もあり、検察権の乱用など悪質かつ偏った法執行に対する懸念もある」としながらも、「施行もされる前に、副作用の懸念で論議を煽るより今後の施行過程で補完していこう」と提案した。

 与野党も口を揃えて期待感を示した。クォン・ウンヒ セヌリ党報道官はキム・ヨンラン法通過後に記者会見を開き、「清廉な大韓民国の礎を築いた」と述べた。ユ・ウンヒェ新政治民主連合報道官も「韓国社会が透明で公正な社会に向けて進んでいくための重要な転換点となった」と評価した。

 しかし、一方では、検察と警察など捜査機関の肥大化を懸念する声も出ている。メディアを相手に告訴・告発を乱発してきた政府がこの法律を悪用して“批判言論の口封じ”に乗り出すかもしれないとの憂慮もある。チョン・ウィファ国会議長はこの日、国会でキム・ヨンラン法が可決された直後に 「この法律は、韓国社会を透明な先進社会で近づける分岐点になるだろう」としながらも「法施行前に徹底した補完策を用意しなければならない」と強調した。

キム・ギョンウク、キム・ギュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.03.03 21:41

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/680682.html  訳H.J

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