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朴大統領、三一節祝辞で対日強硬基調固守

登録:2015-03-01 23:24 修正:2015-03-02 11:57
「安倍談話」の推進に警告性メッセージ
朴槿恵大統領が1日午前、ソウル鍾路区世宗路世宗文化会館で開かれた96周年三一節記念式で万歳三唱をしている。イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

 「教科書歪曲」日本政府に対する直接批判も
 専門家 「懸案の分離対応が必要」と指摘

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が今回の三一節(3・1独立運動)の祝辞で、日本に向けて慰安婦など歴史問題の解決を再び要求した。朴大統領が過去の歴史に関連し従来の立場を固守したことで、日韓関係が近いうちに正常化されるのは難しい見込みだ。

 朴大統領は特に「歴史とは自分勝手に取捨選択し、必要なものだけ憶えることではない」とアレクシス・ダデン米コネチカット大学教授の言葉を引用して目を引いた。ダデン教授は最近、日本政府による米国の歴史教科書の修正圧力に対抗した同国の歴史協会(AHA)所属の歴史学者の共同声明を主導した人物だ。日本が戦後70周年を迎え過去の歴史に対する謝罪抜きの「安倍談話」を推進することに対する警告の意味を込めたものと解釈される。

 朴大統領は、慰安婦被害者のお婆さんたちが高齢であることを挙げ、問題の解決の緊急性を改めて強調した。朴大統領は「今年に入って、すでに二人の被害お婆さんが一生胸に抱えていた傷を癒されないまま、亡くなった」とし「今53人だけが生存しているお婆さんたちの平均年齢が90歳に近く、その方たちの名誉を回復させて差し上げられる時間も残り少なくなった」と述べた。

 朴大統領は、日本の教科書歪曲問題にも言及した。朴大統領は「日本政府が教科書歪曲の試みを続けているのも近隣関係を傷つけること」だとし、日本政府を直接狙った。朴大統領は、昨年三一節記念演説でも「歴史をありのまま直視し若い世代に正しい歴史を教えなければならない」とし、歴史歪曲問題を言及したが、日本政府を直接名指ししたことはなかった。

 朴大統領の対日メッセージが大きな変化もなく、既存の立場を固守したことで、日韓関係に特別な変化を期待するのは難しく見える。日本と韓国との間では、昨年4月から外交当局間の局長級協議が6回開かれたが、高位級外交チャンネルが稼働しない中で「息つぎ」の役割を果たしているだけで、具体的な進展は見られない。日韓首脳会談(の開催)もまだ不透明な状況だ。

 代わりに、政府は難しい日韓関係を韓中日3カ国の関係と韓米日3カ国の関係の枠組みで管理していくものと思われる。政府は、これまで韓中日3カ国外交長官会談を推進してきており、そのために近く3カ国間の高位級会議を開く計画であることが分かった。また、韓米日3カ国の情報共有約定など、安全保障問題を中心に3カ国の協力を模索している。チョ・セヨン東西大学特任教授は「断固とした姿勢を維持するのは良いが、歴史問題と政治・経済問題とを分離して対応しなければならない。強硬なだけの態度は外交的な身動きの幅を狭めることになる」と述べた。

キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.03.01 19:54

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/680244.html  訳H.J

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