16日午後2時45分頃、大邱(テグ)市 寿城(スソン)区にあるセヌリ党大邱市党と慶尚北道党事務所の入り口。ピョン・ホンチョル氏(46)が朴槿恵(パク・クネ)大統領を批判する内容のビラ約20枚をばら撒いた。朴槿恵政権による(批判勢力に対する)“従北”世論作りと国家情報院の大統領選挙介入などを批判するビラだった。数分後、彼はばら撒いたビラをすべて回収して帰った。ビラを自主回収した理由について、ピョン氏は「最初からビラ撒きが目的ではなく、パフォーマンスレベルの象徴的な行為だった」と説明した。
翌日(17日)、大邱水寿城警察署はピョン氏に電話をかけて任意出頭を求めたが、ピョン氏は拒絶した。警察はこの日、ピョン氏に出席要求書を送った。 23日には警察官2人が大邱市寿城区と慶北清道(チョンド)郡にあるピョン氏の自宅を訪ね、ピョン氏の行方を捜した。
大邱寿城警察署の関係者は「法律的な検討を行っている段階」と言いながらも、適用する嫌疑を見つけずにいる。名誉棄損罪は反意思不罰罪であり、被害者が加害者の処罰を望まないという意思を示した場合は処罰できないが、告訴がなくても捜査を始め立件や起訴することができる。しかし、通常、被害者の告訴がなければ、捜査機関が動くことはない。当事者である朴大統領が訴えていないのに、警察が名誉毀損罪を適用するのは負担になる。
警察は、公共の場にビラなどを許可なくばら撒いた疑いで、軽犯罪処罰法を適用する案も検討しているが(立件が)容易ではない。ピョン氏がばら撒いたビラの量があまりにも少なく、自ら回収したからだ。
釜山(プサン)では朴大統領を風刺したビラ撒きについて、警察の無理な法適用が問題になっている。12日釜山蓮堤(ヨンジェ)区で、ユン氏(45)がバイクに乗って道路に朴大統領を風刺したビラ約8000枚をばら撒いた。警察はユン氏に名誉毀損罪と軽犯罪処罰法(広告物の無断撒布)、自動車管理法違反の疑いを適用する方針だ。
釜山蓮堤警察署は23日、裁判所からの令状を持ってユン氏の家を家宅捜索した。警察は家宅捜索の過程でユン氏がバイクを違法改造した事実を確認し、自動車管理法違反の疑いを適用することにした。これに対してソ・チャンホ人権運動連帯常任活動家は「警察が無理やり関連法を適用する別件捜査を行っている。表現の自由を萎縮させながら、個人の人権も侵害する行為」だと批判した。
「民主社会のための弁護士の会」釜山支部のチェ・ソンジュ弁護士は「名誉毀損は法理的に警察と検察の捜査が可能だが、通常は被害者が告訴してから警察も捜査を始める。ユン氏の場合、警察が捜査慣行を脱して無理に法を適用したもの」と指摘した。
昨年12月26日、ソウル麻浦(マポ)区の地下鉄弘大入口駅に朴大統領を批判するビラ1万枚が撒かれた。1月初めには、全羅北道群山(クンサン)市でパク・ソンス氏(42)が朴大統領を批判するビラ4000枚を作成し、約3500枚をマンションの郵便受けに投函したり、市民に配った。
韓国語原文入力: 2015.02.24 20:49