李完九(イ・ワング)首相候補者を取り巻く不動産投機、兵役忌避、言論外圧疑惑などが後を絶たない中、李候補者が政治家である点から人選過程を楽観した大統領府が、基本的な検証もせずに急いで人事を敢行したのではないかという疑いが提起されている。李候補者の人事聴聞過程で浮上した疑惑により、大統領府の不十分な人事検証システムが再び指摘されている。
15日、チン・ソンジュン新政治民主連合議員によると、大統領秘書室は李候補者の事前検証に関連したチン議員の資料提出要求について、「私生活」などの理由を挙げて拒否した。チン議員が要求した資料は、李候補者を首相候補に確定した人事委員会または内部会議の開催日時、首相候補者を指名した日時、李候補者に個人情報提供の同意書の提出を要めた日付と同意書を受領した日付など、主に任命進行時期と関連するものだ。大統領府は「人事委員会事項と首相候補者の指名・通報などは大統領が任命権を行使する中間段階」だとし「(これを)公開すると、人事の公平性の毀損、私生活の露出など様々な影響が懸念される」と公開を拒否した。
チン・ソンジュン議員は、大統領府が李候補者に対する税金と兵役問題を確認するための基本的な手順すら踏んでいないと述べた。チン議員側が国税庁と兵務庁、健康保険公団に李候補者に対する大統領府の資料請求があったのかを確認した結果、何の要求もなかったことが明らかになったからだ。チン議員は「李候補者が政治家出身であるため、承認過程が無難であろうという先入観を持っていた大統領府が、事前検証を徹底しなかったようだ」と批判した。
ある元大統領府関係者は、「李候補者の不動産投機疑惑、兵役忌避疑惑、次男の健康保険料未納などは、関連書類を取り寄せて目を通すだけでも、すぐに把握できる」とし「現在の状況から見て、大統領府が李候補者だけを信じて、まったく検証をしなかったようだ」と話した。
大統領府人事刷新が必要だという世論の圧迫により支持率が急落している過程で、朴大統領がキム・ギチュン秘書室長を交替する代わり、”李完九首相カード”で大火事を消すために急いで投入する過程で、検証をほとんど行わなかったのではないかと思われる。大統領府が事前検証を行ったと主張しても、李候補者の”デパート式”疑惑をちゃんと把握できなかった点で、手抜き検証疑惑を免れないとの指摘もある。
韓国語原文入力:2015.02.15 19:19