旌善・中峰滑降場など解決法見いだせず
江陵スケート場やアイスホッケー場など
訓練場活用計画案も“二番煎じ”
「競技を開くより放置がマシ」
2018年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック競技場の事後活用方案を見出せない政府が苦境に陥った。分散開催問題の中心が経済性に関する問題であるだけに、合理的で説得力ある事後活用方案がどうしても必要だ。 だが、冬季オリンピック施設の季節的特性のため、年中の活用方案を探すのは容易でない。 文化体育観光部の高位関係者は「懸命に方案を研究しているが、ボブスレーなどが開かれるスライディングセンターの活用方案は見当たらない。競技を開催するよりは放置する方がむしろ経済的だと言える」と吐露した。
平昌オリンピック施設の中で江陵(カンヌン)カーリング場やスノーボード・フリースタイルが開かれる普光(ポグァン)フェニックスパークは、既存の施設を補強すれば良い。 だが、旌善(チョンソン)の中峰(チュンボン)滑降場とアルペンシア・リゾートのスライディングセンター、江陵にできるスピードスケート場と男子アイスホッケーリンクの活用方案はまだ明確になっていない。 韓国国内のスポーツ人口規模や地方自治体の財政状況を考えると、施設を維持するには管理費負担が耐え難いほど大きくなる。
政府関係者は12日「江陵スピードスケート場は大会後に上段部分を撤去して規模を縮小し、代表選手たちの訓練場として活用することができる。現在推進中の忠清北道鎮川(ジンチョン)選手村内の200億ウォン（約22億円）規模のアイスリンク建設をあきらめ、江陵アイスホッケー場を活用する方案を推進している」と話した。 この場合、ソウルに集中している氷上関連競技団体を誘致するための江陵市や江原道の支援策が必要になると彼は付け加えた。ソウル泰陵(テルン)のスケート場は、ユネスコ指定文化遺産である泰陵内にあるために拡張が難しい。 原州(ウォンジュ)～江陵間の高速鉄道が完工すれば、ソウルから江陵競技場までの移動時間は1時間程度に短縮される。
環境破壊論議が起こっている可里旺山(カリワンサン)滑降競技場は、競技終了後にスロープ上段部分は原状回復する計画だ。 スロープ下段部分は民間資本を誘致してリゾートとして開発する計画だ。
しかし、こうした方案は分散開催論要求が強まり、すでに引っ込めたカードを再び持ち出しただけで新しいものではない。その上、最も現実的な方案であっても競技団体など利害当事者の意見を検討した痕跡はない。 ある氷上スポーツ関係者は「江陵スケート場やアイスホッケー場を代表選手たちの訓練場として活用する場合、単に競技場だけを残すなら、管理費用を押し付けるだけという疑いを受けるだろう」と話した。 誘引策が必要だということだ。
たとえば坡州(パジュ)のサッカートレーニングセンターには芝面だけがあるわけではなく、ホテル水準の宿泊・会議施設と体力訓練場を備えており、サッカー発展のメッカの役割を果している。 その程度の展望は提示しなければならないということだ。 可里旺山の場合にも生態系の完全復旧に対する環境団体の疑いが相変らず強く、リゾート民間資本誘致による開発も展望が不透明だ。
ただし、政府次元でも分散開催論を意識する動きは出てきている。 政府は国際スキー連盟が普光フェニックスパークに対する新規リフト建設など500～600億ウォン（約55億～66億円）規模の施設補完要求に対しては、ハイ１リゾートに場所を移転し解決する方針だ。政府関係者は「既存の施設を活用することは国際オリンピック委員会のアジェンダ2020にも合致する。ハイ１リゾートに場所を移せば追加費用がほとんどかからない」という。
1228億ウォンを投じて作るスライディングセンターについては、これといった妙案がない。1998年に冬季オリンピックを開いた長野のスライディングセンターは錆つくほど放置されている。リュージュ、ボブスレー、スケルトンを行うためにスライディングセンターを運営する場合、年間管理費は数十億ウォンに達する。 ソルトレイクシティなど米国のスライディングセンターは、夏に冒険遊戯施設などとして活用し、冬には競技大会を誘致しているが、韓国とは状況が違う。 政府関係者は「頭を絞っても妙案は見つからない。冬季オリンピックをする以上、やむを得ず負わなければならない負担と考えざるをえない」と話した。
訳J.S(2013字)
