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[記者手帳]平昌冬季オリンピック組織委員会「分散開催」に待った

登録:2015-01-13 23:46 修正:2015-01-14 05:55
平昌冬季五輪の開・閉会式場俯瞰図。2014年平昌冬季五輪誘致委員会提供。//ハンギョレ新聞社

 平昌(ピョンチャン)オリンピック組織委員会(委員長チョ・ヤンホ)が地方自治体レベルで自発的に行われるオリンピック分散開催に待ったを掛けている。経済オリンピックのための国際オリンピック委員会(IOC)の「アジェンダ2020」に代表される国際的な流れにも相反する動きだ。平昌組織委は12日、チェ・ミョンフイ江陵(カンルン)市長が「アイスホッケー競技場の原州(ウォンジュ)への移転が可能ならば議論する」と発言すると13日午前、「国民の混乱を煽る」と強く非難した。果たしてそれは国民の混乱なのか、それとも創造的な発想や主体性欠如している組織委員会の混乱なのか。

 平昌組織委は1万席規模の男子アイスホッケー競技場の原州への移転計画を「時期的に遅い提案だ。原州の建設候補地は国防部の土地なので形質変更等にかかる時間だけでも1年」と移転は不可能だと述べた。来年に予定されているオリンピックのテストイベントの開催も難しいと話した。しかし、半日で組織委の説明は事実と異なることが明らかになった。ウォン・チャンムク原州市長はこの日午後の記者会見で、「行政手続は原州市に任せてほしい。工事中止期間の冬に設計変更などすべての手続きを完了できる」と説明した。原州はソウルから近く、人口も33万人なので江陵(20万人)より市場が大きい。江陵では解体されるべき1079億ウォン(約118億円)のアイスホッケー競技場が円周キャンプロング地区に建てられたら、文化体育公園の一部となりオリンピックの遺産として残る。何よりも、両方の自治体からの変更を望んでいる。

 組織委員会の論理は大統領の「分散開催論議はもはやない」という昨年の発言に依拠している。その指示がタブーとなっており、誰も超えられないと考えているようだ。しかし、大統領の政治的な計算とは異なり、国民の10人のうち6人は分散開催に賛成を示した。競技場の建設費用に事後管理の負担まで自治体としては生存をかけ問題を提起している。さらに13兆ウォン(約1兆4000憶円)が投入される国家事業なので、合理的根拠さえあれば議論の場を開き一緒に解決策を考える姿を見せなければならない。

 平昌組織委は大統領の組織ではない。国民が望むことを「国民の混乱」というのは詭弁だ。創造を強調する朴槿恵(パク・クネ)政権の下に創造性はない。当初原州に建てる予定だったアイスホッケー競技場を江陵に移したIOCにも責任がある。しかし、IOCは時代の流れに合わせ立場を変えた。硬直した平昌組織委も発想を変えなければならない。

キム・チャングム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/03 18:58

https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/673414.html 訳H.J

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