ジェネシスやニュービートルなどの車、ドイツ製自転車、高級カーオーディオ、ゴルフレッスン費…。韓国電力と子会社である韓電KDN、韓国水力原子力の役員が納品ロビー用に受け取った賄賂のリストだ。リンゴ用の段ボール箱に入り切れなければ、車の荷台に1万ウォン札をいっぱい詰めて渡していた古典的なロビーからすると、「札束攻勢」から「収賄側に合わせた金品」に変貌する賄賂犯罪の進化の様子がうかがえる。
ソウル中央地検金融租税調査1部(部長チャン・ヨンソプ)は1日、通信機器メーカーK社キム代表(56)とカン・スンチョル前韓国電力常任監査(55)など10人を、贈賄供与・授受容疑で拘束起訴したと明らかにした。シン韓電KDNチーム長(46)など5人は在宅起訴された。
捜査の結果によると、K社は役員から実務チーム長までロビー対象にし、それぞれの職責と好みに合わせてロビーを行った。自動車の車種からしてそうだ。キム代表は、李明博(イ・ミョンバク)政権の引継ぎ委員会出身のカン氏に高級車のジェネシスをリースで利用できるようにした。子供のための乗用車が必要だった前韓電部長キム氏(60)などには、ドイツ製ニュービートル乗用車や中古モーニング乗用車が提供された。コ韓電KDNチーム長(54)は、現金2000万ウォン(約215万円、100ウォンは約11円)と360万ウォンのドイツ製の自転車を貰った。コチーム長は同好会活動をするなど、自転車マニアで知られていた。
時価990万ウォンの高級カーオーディオを受け取った人もいる。韓国水力原子力のキム専務(59)のゴルフレッスン費もK社が支払った。住居費と法人カードの提供も個人の“需要”に合わせて行われた。キム代表は競合他社の不正を警察に告発するため、警察庁経済犯罪特別捜査隊カン・スングァン隊長の妻を従業員名簿に載せる方法で3800万ウォンを提供した。2006年に設立された企業が中堅納品会社に登りつめたのは、このように真心を込めた「収賄側に合わせたロビー」が功を奏したものと思われる。K社が2008年からロビーに費やした資金はすべて3億5690万ウォン(約3834万円)だが、その後獲得した納品契約は412億ウォン(約44億2644万円)規模だった。
このようなロビー行動の進化は、以前にもモニュエル詐欺融資事件で確認されている。検察は、モニュエルが3兆4000億ウォン台の詐欺融資を受ける過程で貿易保険公社に8億ウォンの金品ロビーを行った事実を明らかにした。特に目を引いたのは、クレジットカードのように見えるプリペイド型ギフトカードでだった。パク・フンソク代表(60·拘束起訴)は50万ウォンのギフトカード20枚をたばこの箱にキッチリ入れて貿易保険公社の幹部たちに渡したことが分かった。たばこ1本を勧めるように1000万ウォン(約107万円)の賄賂を渡したのだ。パク代表はクッキーボックス、ワインボックス、ティッシュボックスも利用したが、このようなボックスに5万ウォン札を入れると3000万〜5000万ウォンが入る。
検察関係者は「賄賂といえばリンゴ用の段ボール箱を思い浮かべた時代に比べ、やりとりする手法が確実に進化している」とし「これに合わせて賄賂の用途に対する厳密な検査方法を開発し、賄賂授受の事実を立証している」と述べた。検察は、ギフトカードと法人カードを使用した店舗を見つけ、現金領収書の発行記録を追跡する方法を用いている。
韓国語原文入力: 2015.02.01 21:14