ソウル中央地検特捜1部(部長ヨ・ファンソプ)は建設業者から工事受注の便宜を図って欲しいという請託と共に億ウォン台の現金などを受け取った疑い(特定犯罪加重処罰法の斡旋収賄)でウォン・セフン(62)前国家情報院長を10日拘束収監した。 大統領選挙世論操作および政治介入事件の捜査当時、ファン・ギョアン法務部長官の‘選挙法適用不可指示’波動で拘束令状の請求を避けたウォン前院長は結局、個人不正疑惑で拘束された。 国内情報機関の首長が不正な金を受け取った疑いで拘束されたことは初めてだ。
この日ウォン前院長の拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を務めたソウル中央地裁キム・ウス令状専門担当部長判事は「犯罪疑惑に対する疎明があり、記録に照らして証拠隠滅および逃亡の心配がある」として令状発給理由を明らかにした。
ウォン前院長は国家情報院長に就任した2009年2月以後、普段から懇意にしていたファン・ボヨン(62・拘束起訴)前ファンボ建設代表から数回にかけて数千万ウォンずつ1億5000万ウォン相当の金品を受け取った疑いを受けている。 検察はファンボ建設が2010年7月韓国南部発電が発注した三陟(サムチョク)グリーンパワー発電所第2工区の土木工事とホームプラス仁川(インチョン)研修院設立基礎工事を受注する過程でファン氏の要請を受けたウォン前院長が不当な影響力を行使したと見ている。
ウォン前院長の身柄を確保した検察は、ウォン前院長がファン氏から追加で受け取った金品有無、金品の代価性有無を確認する一方、国家情報院長として在職していた時に他の不正がさらにあるのかを捜査する方針だ。
これに先立って国家情報院の大統領選挙世論操作および政治介入事件を捜査したソウル中央地検特別捜査チーム(チーム長ユン・ソギョル)は公職選挙法および国家情報院法違反の疑いでウォン前院長を不拘束起訴した。 特別捜査チームは当初ウォン前院長の拘束令状を請求する方針だったが、ファン・ギョアン法務部長官が検察の意見を握りつぶして‘選挙法適用不可’指示を与え、公訴時効が迫り拘束令状を請求できなかった。 だが、ウォン前院長は結局、国家情報院長在職時の金品授受という個人不正疑惑で拘束された。
国家安全保障のために情報生産と保安業務を総括指揮する国家情報院の首長が建設業者から金を受け取った疑いが明らかになり、国家情報院は再び侮辱を受けることになった。 国家情報院の前身である国家安全企画部(安企部)時代、クォン・ヨンヘ前安全企画部長は1998年いわゆる‘北風’工作事件で拘束起訴された後に2004年安全企画部の資金10億ウォンを引き出して自身の弟に渡した疑い(特定経済犯罪加重処罰法の横領)で追加起訴されたことがある。 だが、不法的に裏金に直接関わった個人不正疑惑で情報機関の首長が拘束されたことはウォン前院長が初めてだ。
ウォン前院長はこの日夜11時20分頃に拘束令状が発給された後、ソウル中央地検庁舎を出て「現金を受け取ったことを依然として認める気はないか」という質問に「はい」と否認して乗用車に乗りソウル拘置所へ向かった。 イ・ジョンヨン記者 xingxing@hani.co.kr