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李明博前大統領回顧録に大統領府が反発…前・現政権の角逐

登録:2015-01-30 23:47 修正:2015-01-31 08:04
朴大統領の世宗市修正案反対を
チョン・ウンチャン総理牽制として解釈したのは誤解...
南北首脳会談秘話の公開が
国益のためになるのか
回顧録『大統領の時間』を出版した李明博前大統領がサイパン旅行を終え30日夕、仁川空港を通して帰国し車に乗っている。 仁川/キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

李前大統領側「マスコミよりも本を読んで判断してほしい」

 大統領府が30日、李明博(イ・ミョンバク)前大統領の回顧録の一部の内容について公に遺憾と懸念の意を示したのに対し、李前大統領側が再び「マスコミの報道よりも回顧録を読んで判断してほしい」と反論した。これまで水面下にあった前政権と現政権の軋轢が回顧録の発刊を機に衝突する様相を帯びている。

 李前大統領の回顧録『大統領の時間』は、来週初めの発刊に先立ち、最近主要な内容がメディアを通じて公開されたが、大統領府が問題視する部分は大きく分けて二つある。 2010年当時、李大統領と朴槿恵(パク・クネ)ハンナラ党(現セヌリ党)代表が鋭く対立していた「世宗市修正案」の採決を言及した部分と、李前大統領在任時代の南北関係と秘密接触などの内容を詳細に記述した部分だ。

 大統領府の高位関係者はこの日午前、予告なしに記者らがいる青瓦台の春秋館を訪れ、「朴大統領が(2010年に)世宗市修正案に反対したのが、当時(修正案の処理を担当した)チョン・ウンチャン総理を(次期大統領候補と考え)牽制するためだと(回顧録で)語られているのは、誤解から始まったものであり遺憾に思う」と強調した。この関係者は引き続き 「世宗市修正案の話が出た時、朴大統領は国土の均衡発展の次元で決断をしたものと思われるが、その問題が(李前大統領によって)政治工学的に解釈されるのが、今の韓国や国民、党の団結にどのように役立つかは疑問だ」と付け加えた。

李明博前大統領の回顧録『大統領の時間』の一部内容が28日公開された。この本は2月2日出版される。 RHコリア提供//ハンギョレ新聞社

 大統領府はまた、李前大統領が回顧録で北朝鮮が南北首脳会談と引き換えに、ドルと支援物品を具体的に要求したなど、首脳会談推進秘話を詳細に打ち明けたことについても、不快な感情を隠さなかった。この関係者は「今、南北対話をはじめ外交問題が敏感な局面にあるが、細かいことを明らかにするのが外交的に国益のためになるのか、このような指摘はメディアでもされている」と述べた。

 大統領府のこのような対応には朴大統領の意中が反映されたものと見られる。大統領の意思が関わっていないなら、大統領府の参謀が前大統領の回顧録についてこのような鋭い反応を見せるのは容易ではないからだ。最近、朴大統領の支持率急落などで危機に瀕している大統領府が「4大河川事業」と「資源外交」などで世論の反発を受けている前大統領に目を向けさせ、局面を転換しようという判断をしたものと思われる。

 これに対し、今回の回顧録の執筆を総括したキム・ドゥウ元大統領府広報首席はこの日、ソウル世宗路(セジョンノ)言論会館で出版記念記者会見を開き、「大統領府で言われたように、チョン・ウンチャン総理を牽制するために世宗市に反対した、このような記述はない。マスコミの報道ではなく、回顧録を正確に読んで判断してほしい」と言い切った。彼は首脳会談の推進秘話の公開に関連しても、現政府による2013年の首脳会談の対話録公開を念頭に置いたように 「失敗した非公開接触は公開しないという原則があるわけでもないじゃないか」と反論し、「国家情報院や外交部などの上層部が変わり、朴槿恵政権がよくわからないようなので、前政権でこの部分がどのように進められたのかを正確に伝えなければならなかった」と述べた。

 一方、李明博政権の関係者であるイ・ドングァン元広報首席はこの日、YTNとのインタビューで、「敏感な話は2、3年後に準備して書こうと思っているため、本当に政治的な問題になりかねない事案と判断したのは今回全く取り上げていない」と述べ、朴大統領の任期末に回顧録第2編が出てくることを予告して関心を集めた。

ソク・ジンファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.01.30 19:58

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/676165.html  訳H.J

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