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[探査報道]李明博政権の資源外交(5)災いと化した公企業の無能

登録:2015-01-30 23:12 修正:2015-02-01 07:26
企業が放棄したボレオ持分を取得…
鉱物公社、数千億ウォンの損失
ボレオ銅鉱//ハンギョレ新聞社

経済性喪失したメキシコの銅山に
443億ウォン投資拡大“背任性決定”
公社側「事業中断を憂慮して代納」

 昨年3月20日、鉱物資源公社はSKネットワークス、現代ハイスコ、LS-Nikko銅精錬、ILJINMaterials 宛に、“非公開”文書を一通送った。 タイトルは「メキシコ・ボレオプロジェクト2014年3月の投資費納入要請」だった。 メキシコのバハ半島サンタ・ロザリアに位置する銅山運営にかかった1カ月分の投資費を分担しようという内容だった。 翌日までに160億ウォン(1500万ドル)を出すようにという催促だったが、応じた企業は1つもなかった。 前月も、企業側は公社の同様な要請を無視した。 長くは2年以上、“要請”と“無視”が繰り返されている。

7年間で投資費雪だるま式に1兆534億ウォン
持分74%の“砂上の楼閣の大株主”に
公社「経営能力育成の学習機会」
経営陣・理事会などの懲戒はなし

 当初、鉱物公社と民間企業は資源開発事業という一つの船に乗ったが、進む方向が食い違うようになって久しい。 2008年、公社は民間企業と共にコンソーシアムを立ち上げ、自主開発率の低い銅の確保に向けてボレオ銅山事業(以下、ボレオ事業)に投資したが、参加企業はみな早くから経済性がないという判断を下した。 鉱物公社が催促しても、利潤を重視する企業は動こうとしなかった。 リチウム電池部品メーカーの ILJINMaterials は一番先に手を引いた。3年前からは運営費を払っていない。

 ところが鉱物公社は、機会でも得たかのように逆方向に動いた。 公社は文書を送ってから5日目に、民間企業が未納してきた投資費の代納を決定した。 443億ウォン(4058万ドル)に上る大金だった。 代わりに公社は、投資費を出さない企業の持分を引き継いだ。 公社の持分は70%から74%に増えた。

 10%でスタートした鉱物公社の持分は、2012年を基点に大幅に増え今はボレオ事業の筆頭株主となった。 共同投資家として乗り出した国内外の企業が投資費を納めなければ、代わりに納付したり借金を肩代わりする形で得た持分のおかげだった。

 しかし、投資費を代納して得る持分に価値があるかが問題だった。 追加投資を渋った企業は、自分たちが持つボレオの持分の価値が全くないか、もしくは低いと判断した。 このため、投資費を代納しながら持ち分を増やしてきた行為が、公社に多くは数千億ウォンという損失の可能性をもたらす背任に該当するという指摘が出ている。 公社の当初の投資費約500億ウォンが、今では20倍以上の1兆534億ウォン(約1200億円、100ウォンは約11円)に膨れ上がっている。

 20日、ハンギョレがキム・ジェナム正義党議員と一緒にボレオ事業に参加した民間企業の「2013年事業年度の監査報告書」の財務諸表の注釈(以下、監査報告書)を検討したところ、民間企業では投資金の回収可能性がゼロあるいは低いと見て、持分の価値を全部又は一部を損失処理していることが確認された。

 鉄鋼を生産する現代ハイスコは、ボレオコンソーシアムの持分約16.7%(2億5076万株)を全て損傷差損(減損処理)していた。 この持分を取得するために投資された約272億ウォンを、一銭も回収できないと判断して会計処理したわけだ。 投資した資産価値の“回収”可能性を意味する損傷差損は、認識しただけを損失として処理する。 現代ハイスコは前年度までは、まだ投資金をほぼそのまま帳簿価額として反映させていた。 ところが1年後には保有株式を事実上“紙くず”に再分類したのだ。 会社関係者は「これまで投入された額は将来も回収されないものと判断した」と言った。

 ILJINMaterials も、当初約108億ウォン(6.7%)を払って確保した持分のうち、約3分の1(36億ウォン)を損失として処理した。 会社関係者は「事業がうやむやになった状況だ。 担当者もみな退社し、今は別の人が引き継いで管理程度しているだけだ」と言う。SKネットワークスは99億ウォン、LS-Nikko銅製錬は123億ウォンを損傷差損と認識した。 SKネットワークスの関係者は「持分価値の評価縮小を反映させた」と話した。

ボレオ銅鉱露天採掘場//ハンギョレ新聞社

商業生産を2015年に再度遅らせ
ボレオ事業「無期限延期」

 ボレオ事業のように投資が続いている場合、損傷差損と認識して損失を反映させることは稀だ。 曖昧な場合には損傷差損として処理することは通常しない。ボレオ事業に投資した民間企業4社とも同時に投資金の一部または全部を損失処理したということは、事業の不確実性が非常に大きくなったという意味だ。 公社が投資費を代納することで増やした株式の相当数は、事実上“損失”処理された株式だったわけだ。 キム・ギョンユル会計士は「明らかに損失が出ると知りながら投資額を増やし続けたならば、公社経営陣らは背任に該当し得る」と話した。 全ての投資者が手を引いている状況で、独り投資を増やすしかなかった具体的かつ詳細な根拠がなければならない。 鉱物公社の関係者は「代納した最大の理由は、事業の存廃がかかった問題だったからだ。 投資が中断されれば、もはや事業が進められなくなる可能性があった」と話した。 しかし、投資を持続するかどうかの決定で最も重要な事業の収益性については、公社の内部でさえ懐疑的だった。 理事会は昨年3月、民間企業の未納投資金を代納する案件を承認する際に、「債権団が心配しているように、本事業は純現在価値(NPV)や内部収益率(IRR)を考えた場合、利益を得ることはできない」と釘を刺した。 この発言をしたナム・ヒョウン理事会議長代行は「ただし、損失を最小化し本事業遂行を我が社の経営能力や資源開発能力、技術力を一段階アップグレードさせる機会とするならば、損をする価値がある」と付け加えた。 収益性のない事業に対し、公社の“事業能力向上”のために投資費をかけ続けているということだ。

 監査院は昨年6月に実施した監査(「エネルギー公企業の投資特殊目的法人運営・管理実態」)で、ボレオ事業は「収益性不足で事業推進が不可能だ」として「事業性がない」と明らかにした。 匿名を要請したある会計士は「徹底して事業的判断をすべきだ。(公社の)経験のために天文学的な金を投資するとは、非常に問題が深刻なようだ」として「法律的に、経営陣の背任容疑適用可能性が大きい」と話した。1兆ウォン以上をつぎ込んだボレオ事業は無期限足踏み状態だ。 2010年から商業生産が可能とされていた生産は2014年に、そしてさらに2015年に先送りされた。 キム・ジェナム議員は「ボレオ事業は経済性をすでに失った状態だ。3人の担当実務者が謹慎、減給などの極めて軽い処分を受けただけで、誤った決定を下した社長と経営陣、理事会は、何の懲戒も問責も受けていない」と指摘した。

リュ・イグン、チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/21 00:52

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/674560.html
訳A.K(3048字)

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