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年末調整問題で動揺する韓国政府、健保料改編案を全面白紙化

登録:2015-01-28 20:20 修正:2015-01-29 06:50
高所得者の健康保険料負担を増やし
低所得者の負担を減らす方案

3年かけ精魂込めて推進してきたが
“増税論議”が拡散すると突然放棄
大統領支持率下落が続き改善案を捨てたことに批判

ムン・ヒョンピョ福祉部長官 //ハンギョレ新聞社

 政府は3年かけて精魂込めて推進してきた健康保険料(健保料)賦課体系の改編を事実上全面白紙化した。 たばこ値上げと年末精算問題などで“増税論議”に火をつけた政府が、これを口実に現行健保料賦課体系の改編必要性を放棄したとも指摘される。 政府が用意した健保料賦課体系改編案は“松坡(ソンパ)三母娘”事件のように所得が少ない地域健保加入者の保険料負担は減らし、高所得の職場・地域健保加入者の健保料を高くする内容だ。

 ムン・ヒョンピョ保健福祉部長官は28日午後2時、ソウル麻浦(マポ)区の国民健康保険公団記者室を訪れ「年内は健康保険料改善案を作らないことにした」と発表した。 ムン長官は「非常に敏感な問題と追加負担することになる勤労所得者たちの不満が大きいためでもある」とし「国民の支持を得て行うべきだが、まだ十分な準備ができていないと判断した」と話した。 一方では政府が度重なる大統領支持率下落だけを憂慮して、ようやく用意した健保料賦課体系改善案を捨てたという指摘もされている。

 福祉部は2013年7月、16人の専門家が参加した「健康保険料賦課体系改善企画団」(企画団)を設け、現在までに11回の全体委員会と10数回の小委員会を開き、企画団最終報告書を採択し政府に提出・建議した状況だ。これに対し福祉部も記者団を相手に先月、別途健保料賦課体系改善案関連ワークショップを開き、4~5月中に政府の最終案を採択すると発表した。 1年半以上にわたり政府が着実に推進してきた事案を、わずか一日でひっくり返し、最近の年末調整問題で事実上の増税という批判を受けた政府が健保料で再び負担を抱くかも知れず延期方針を下したわけだ。

 福祉部は健保料体系改編の意志がないという批判を昨年から受けてきた。 当初、昨年9月中に政府案を出すと約束したが発表しなかったし、昨年11月には与野党が企画団の用意した改善案に対する政府の立場を聞くために討論会を開こうとしたが、福祉部が改善案が確定していないとして開かれなかった。こうした中で、松坡三母娘の健保料は約5万ウォンだったが、健康保険公団の理事長が退職すれば被扶養者になり健保料を納付する必要がなくなるとして、その合理性に対する批判が高まっていた。

 ただし福祉部は、賦課体系改編案は年内は推進しないとしながらも、地域健保加入者の過度な保険料納付については今年中に別途の改善対策を用意すると明らかにした。

パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/675666.html 韓国語原文入力:2015/01/28 15:56
訳J.S(1294字)

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