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政治指向を問題視した韓国教育部の国立大学学長任用拒否、裁判所は不当と判決

登録:2015-01-23 01:41 修正:2015-02-12 18:20
ファン・ウヨ副総理兼教育部長官が21日、政府世宗庁舎で開かれた国民幸福業務報告事前ブリーフィングで記者たちの質問に答えている。 世宗/連合ニュース

放送大学学長の推薦を拒否されたリュ・スノ教授
「大統領府が時局宣言をしたか尋ねた」
政治的指向を問題にした疑惑拡散

公州大・韓国体育大など学長空席が長期化
大学では学事業務に支障

 教育部が何ら理由を明らかにせずに国立大学学長任用の推薦を拒否していることに対して、裁判所が「不当な処分」だとする判決を相次いで出している。しかし、教育部は上級裁判所の判断を仰ぐとして一貫して居直っている。学長の空席により、短ければ4カ月から、長くて22カ月まで学事業務などに支障をきたしている国立大学の不満も高まっている。

 ソウル行政裁判所第13部(裁判長パン・ジョンウ)は22日、リュ・スノ放送通信大学(放送大)教授が「(教育部の)学長任用推薦拒否処分を取り消してほしい」として起こした訴訟でリュ教授の手を挙げた。 放送大学長任用候補者推薦委員会は昨年7月、リュ教授を1順位学長任用候補者として2順位者とともに教育部に推薦した。 だが、同年9月教育部は何ら理由も明らかにせず任用推薦を拒否した。

 裁判所は「リュ教授は教育部がいかなる根拠と理由で任用推薦をしないのか全く分からなかった」として「教育部がリュ教授に行った学長任用推薦拒否処分を取り消す」と明らかにした。 これに対しハン・ソクス教育部大学支援室長は「大法院(最高裁)の最終判断を受ける」と上訴する意向を明らかにした。

 放送大内外では、教育部がリュ教授の学長任用推薦を拒否した背景には、リュ教授の政治的指向を問題視した大統領府が拒否しているという主張がされている。 リュ教授は昨年7月、2009年の李明博政権を批判する教授時局宣言に参加した事実の有無を大統領府職員が尋ねたと明らかにしていた。これと関連して教育部が昨年の国政監査当時にある国会議員に提出した「韓国放送大学長任用推薦非適格理由」と題した資料によれば、「候補者になった後、現学長に放送大役職者交替人事を要求するなど、組織内部の混乱および構成員の不満を引き起こしたことが分かった」として「政治的指向が強く、世宗(セジョン)レッドランド(世宗市の不動産投資および開発会社)に出資するなど不動産投機疑惑があり学長としての資質が大きく不足する」と記されている。

 これに先立ちソウル高裁も21日、公州大学キム・ヒョンギュ学長候補者が提起した同じ内容の訴訟で、1審と同じく「教育部の任用推薦拒否処分はその根拠と理由を明示しなければならないにもかかわらず、明らかにせず行政手続きに違反した」として教育部は処分を取り消せと判決した。

 教育部が任用推薦を拒否してから放送大は4カ月、公州大学は11カ月、韓国体育大学は22カ月、慶北大学は5カ月にわたって学長空席事態に陥っている。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/674867.html 韓国語原文入力:2015/01/22 22:31
訳J.S(1364字)

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