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内部文書流出で告訴したものの大統領府は戦々恐々

登録:2014-11-30 18:42 修正:2014-12-01 05:51
キム・ギチュン室長、首席秘書官会議開き出口戦略を議論
うわさだった“パワーゲーム”が白日の下になり困惑
大統領府は文書流出経緯の争点化で関心の分散試みる公算
大統領府 全景。<ハンギョレ>資料 //ハンギョレ新聞社

チョン・ユンフェ氏(59)の国政介入疑惑が書かれた大統領府の内部文書の公開で波紋が広がり、事態収拾の責任を抱え込むことになった大統領府の困惑も深まっている。 強力な法的対応を宣言し、直ちに告訴状を出すなど今回の事案を足早に検察に持ち込んだものの、検察の調査とは関係なく今回の事態で大統領府に対する風当たりはかなりのものになると予想される。

 大統領府は30日午後、キム・ギチュン秘書室長主宰で首席秘書官会議を開く一方、別途のチャンネルと会議等を通して、今回の事案に対する出口戦略を議論したとのことだ。 大統領府はこの日、対外的には「以前に(キム・ギチュン室長などが)報告を受け真偽の把握が終わった事案なので、検察の調査を見守ること以外には(大統領府)内部的に大きな動揺や急な対応といったものはない」と伝えたが、事案自体に対する困惑した雰囲気は随所で感知されている。

 公職規律秘書官室が作成したという文書の真偽はさておき、今回の事件を契機にこれまでうわさでだけ飛び交っていた朴大統領周辺人物の“パワーゲーム”の存在が明らかになったのは事実で、それ自体が大統領府としては負担になる。この間「不通人事」、「暗闇人事」等と批判を受けてきた朴大統領の人事スタイルや、「秘線政治」とか「門番権力」等と表現された国政運営の問題点なども、結局このような水面下の争いから始まったのではないかという疑いが深まらざるをえないためだ。

 大統領府が今後の告訴人調査等を通して、今まであった内部事情などがマスコミに公開されかねないという危険負担を甘受して、検察に直ちに告訴(名誉毀損)および捜査依頼(対外秘文書流出)を選択したのも、こうした困惑を反映したものと見ることができる。 早期に疑惑を鎮火できなければ、執権3年目に入ろうとする朴大統領が被る政治的打撃が深刻だと判断したわけだ。 いわゆる門番権力3人衆の一人であるチョン・ホソン大統領府第一付属室長が直接マスコミのインタビューに乗り出し文書内容に反論したのも同じ脈絡と解釈される。

 これと同時に、大統領府内部では文書流出経緯に対する争点化を通じて、事態に対する視線の分散も念頭に置いたものと見られる。 内部文書など機密管理が杜撰だったという批判を甘受しても、今回の事案が「権力実力者間の暗闘」および、国政介入論議にまで広がることを遮断する意図と解説される。 これに歩調をそろえて、セヌリ党親朴系の核心人物であるキム・ジェウォン院内首席副代表はこの日、国会で「(文書流出の経緯を)必ず明らかにしなければならない。 驚きに耐えない」と声を高めた。

 朴大統領が今回の事案に対する公開発言をするか否かも注目される部分だ。朴大統領は1日午前、大統領府で首席秘書官会議を主宰する。大統領府の内部文書が政局の大きな波紋を作り出したうえに、内部文書の流出など公職規律に関連した問題も絡んでいるだけに、これに対する沈黙を維持することは難しく見える。 ただし、朴大統領もチョン・ユンフェ氏や弟のジマン氏などに対する言及を極度に避けていると言われ、朴大統領がどんな判断をするかは大統領府内部でも予測が交錯している。

ソク・ジンファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/666764.html 韓国語原文入力:2014/11/30 17:00
訳J.S(1711字)

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