政府与党「予算案とまとめて通過」
野党「金持ち減税の撤回を先行すれば協力」
地方自治体「個別消費税を地方税に」
引上げ幅を500~1000ウォン削れば妥協との展望も
タバコ税引き上げを巡り政府・与党、野党、地方自治体の三者で“綱引き”がされている。タバコ税を上げて不足した税収を確保しようとする政府・与党と、先に法人税の原状回復を求める野党、そしてタバコ税項目に地方税である消防安全税を入れてほしいと言う地方自治体が一歩も譲らず対抗しているためだ。
政府・与党はタバコ税引き上げにより、最大で5兆456億ウォン(1ウォンは約0.1円)の税収確保が可能だと見て、予算付随法案としてまとめて予算案と一緒に通過させる計画だ。一方、タバコ税引き上げを「庶民増税」と規定する野党は「金持ち減税の撤回」が先にされなければ法案処理に協力しない方針を明確にしている。ここに政府のヌリ課程(幼稚園・保育園課程)予算まで抱え込まされ、財政が逼迫している地方自治体は、政府がタバコに新たに賦課しようとしている個別消費税の代わりに消防安全税を新設し、地方自治体の消防安全予算に充当しなければならないと主張している。
この問題の解決方法を探るには、先ずタバコ税引き上げが庶民増税に該当するか見極めなくてはならない。 新政治民主連合はタバコの主たる消費者が庶民層だという事実を挙げ、典型的な庶民増税だと主張している。 税収が不足しているならば、李明博政権時期に25%から22%に下げた法人税を上げることが先決だと強調している。 だが、与党は景気が萎縮した状況で法人税を上げることは難しいとし、国民健康増進のためにタバコ税を上げることは避けられないという立場だ。 財政圧迫に苦しんでいる地方自治体は、与党の見解に近い。 タバコ税には地方税であるタバコ消費税と地方教育税が含まれていて、タバコ税を上げることが地方の財政運用に役立つためだ。
第二の争点は、タバコに賦課される個別消費税を国税にするか、地方税にするかだ。 政府・与党は国税として納めてこそ、地方に等しく恩恵が行き渡ると考える。 タバコが間接喫煙と火災誘発など共同体に否定的影響を及ぼし、喫煙関連疾患に伴う医療費上昇が健康保険財政を悪化させている点などを考慮しなければならないというのだ。ところが地方自治体は、地方税である消防安全税にして地方自治体が負担しなければならない3兆ウォン台の消防安全予算に充当しなければならないという立場を変えようとしない。 自党に所属する広域団体長の意見を無視できない新政治民主連合は、地方自治体の手を挙げている。タバコ税引き上げにともなう税収増分を、地方自治体に回せば無償給食とヌリ課程に編成する財源確保が容易になる点も野党としては無視できない。
最後にタバコ税引き上げ関連法案を予算付随法案にすることに対しては、与野党の立場が尖鋭に対抗している。 セヌリ党は与野党合意がなされなければ、関連法案を予算付随法案に指定し本会議で来年度予算を処理する際に一緒に通過させる方針だ。 予算付随法案になれば、与野党の争点法案は5分の3以上の賛成があって初めて本会議に上程できるように定めた国会先進化法規定を避けられる。 国会議長室側も「タバコの値上げは国税収入と連携されていて、付随法案と見るのが正しい」という立場だ。 だが、新政治民主連合は頑強だ。ウ・ユングン院内代表は24日「もし与党が一方的に強行処理する場合、国会が麻痺し政治は破局に突き進むだろう」と話した。
タバコの値上げ幅を政府が要求した2000ウォンから一定部分削減する線で与野党が妥協するだろうという展望も出ている。 政界関係者は「500~1000ウォン程度、引き上げ額を削る方案が与野党間で交わされていると承知している」と話した。