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高校韓国史から理念対立を理由に「近現代史」大幅に減らす

登録:2014-11-10 00:16 修正:2014-11-10 07:18
教育部「50%→30%」示唆
学界「歴史教育に逆行する決定」
全国教職員労働組合教師や歴史正義実践連帯など市民団体会員らが9月25日午後、ソウル教育大学で開かれた「2015文・理科統合型教育過程改正推進にともなう討論会」で韓国史教科書国定転換に反対する手立て札を出すと進行要員が近づき降ろすように要請している。 イ・ジョンア記者//ハ

 教育部が高校韓国史教科書で、近現代史部分を大幅に縮小する方案を推進している。 近現代史は期間は短いのに教科書に占める比重が過度に多いため理念論議が多いという理由だが、歴史教育の目標と傾向に逆行する決定だという批判もある。

 9日、教育部の「2015教科教育課程試案開発研究提案書」にある歴史教育課程試案開発をみると、「(2018年度から導入される)高校韓国史の前近代と近現代の比率を7対3程度に調整する」となっている。 今年の高校韓国史教科書は、近現代史の分量が全体6単元のうちの3単元で半分程度だ。

 教育部関係者は「前近代史と近現代史の比率を実際どのように調整するかは、来年8~9月に確定する。 今回は新教科書の研究陣を、前近代専攻者と近現代専攻者とを7対3程度で構成するという趣旨だが、公文書が誤って作成された」として、公文書を修正すると説明した。

 実際の調整比率は決まっていないが、近現代史部分が縮小される‘方向性’は確実と見られる。 教育部関係者は「五千年の歴史の中で150年に過ぎない近現代史の比重が教科書の半分にもなっているのは行きすぎで、理念論争が激しい近現代史については後代が評価して教えるのが正しいという歴史学界と教育現場の要求が多い」と伝えた。

 だが、歴史学界と教育界の反発は激しい。 チョン・ヨンテ韓国歴史研究会会長(カトリック大学教授)はこの日「歴史教育の目標は韓国人としての民族的アイデンティティ形成に限定されない。 急変する世界化時代で、普遍的な市民意識と歴史観を育てなければならないこのような時であるほど、特に現代史教育をきちんとしなければならない」と指摘した。続けて「理念論争があるならば、かえって近現代史の研究陣を拡充し、通説に対する検証を確実にして誤りを正して解消すれば良い」と付け加えた。

 チョ・ハンギョン全国歴史教師会会長は「特定時期に対する教科書比重の調整は単純に絶対的な時間の量でななく、私たちが生きている同時代に対する理解が一層重要だという常識的な判断に従ってなされなければならない」と指摘した。 また「理念論争は政界が作ったことであって、学界や教育界が起こしたわけではない。 世界的な傾向で近現代史を強調しているのに、韓国だけが理念論争を口実に近現代史教育を減らすという現実がもどかしい」と話した。

チョン・ジョンユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/663653.html 韓国語原文入力:2014/11/09 20:36
訳J.S(1157字)

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