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朴槿恵政権の韓国歴史教科書の国定化に反発広がる

登録:2014-08-27 21:25 修正:2014-08-28 07:51
26日午後、京畿道果川市の国史編纂委員会大講堂で、教育部が主管した「韓国史教科書発行体制改善討論会」にて、ある団体の会員が韓国史教科書の国定化に反対するプラカードを掲げている。果川/リュ・ウジョン記者//ハンギョレ新聞社

政府「発行体制改善」討論会
参加者、国定化反対が圧倒的
「教育部長官一方的決定を阻止する」
野党議員「法律案」発議を確認
市民団体も「歴史歪曲退行」批判

 教育部は26日、「韓国史教科書発行体制改善案の準備のための討論会」を皮切りに韓国史教科書国定化検討作業を本格化した。野党議員らは法律を制定してでも教科書国定化の動きにブレーキをかける姿勢で、市民団体は「李明博(イ・ミョンバク)政権でさえ行わなかった国定化を推進している」と強く反発した。

 教育部はこの日午後2時、京畿道(キョンギド)果川(クァチョン)の国史編纂委員会大講堂で「韓国史教科書発行体制改善討論会」を開いた。小・中・高の教師、歴史学会会員、教科書執筆者および検定関係者らが討論に参加した。

 政府とセヌリ党は、昨年から今年始めに「教学社版高校韓国史教科書」が理念偏向や記述ミスなどの問題で「採択率0%」水準で無視されると、「韓国史教科書の国定教科書化」カードを持ち出した。

しかし、世論の反発が激しくなると表面的には愼重な姿勢を見せている。ファン・ウヨ教育部長官は今月7日、国会人事聴聞会で「政権の好みに合う歴史をその都度決めて強行しようということではない。国定教科書問題は極めて重要で、国会と教育部が慎重に論議して公論化する予定」であると明らかにした。教育部も教科書発行体制改善に先立ち、現場の声と専門家の意見を幅広く集めるために討論会を開いたと明らかにした。この日の討論会は当初の予想に反して、国定化に反対する意見が質量共に圧倒したが、教育部がそうした意見を取りまとめて国定化推進を放棄するかは未知数だ。

 野党と歴史学界および教育界では、教育部が来月に発表を控えている「文・理科統合型教育課程改訂」と連携して韓国史教科書を国定化しようとしていると憂慮している。「歴史正義実践連帯」のパン・ウニ事務局長は、「討論会という要式行為を通じて国定化を強行しようとしている」と批判した。

 「政府と与党の国定教科書推進は宣戦布告」と公言してきた野党も対策準備に入った。新政治民主連合・国会教育文化体育観光委員会所属のキム・テニョン議員は、同僚議員約40人と共に今月12日、教学社教科書と国定化など教科書を巡る政治的論議を封じるための「小・中等教育法一部改正法律案」を発議したことが確認された。この法案は教育部長官が恣意的に教科書政策を決定できないよう、現在は大統領令である「教科用図書に関する規定」を法律に格上げすることを骨子とする。

 教育・学術団体、独立・民主化運動団体など465団体が参加する歴史正義実践連帯もこの日の昼、討論会場前で記者会見を行い「国定教科書は政権が望みさえすればいくらでも歴史を歪曲して叙述できる危険な制度」と指摘した。富川(プチョン)女子高校の教師で「全国歴史教師の会」のチョ・ハンギョン会長は、「学校の現場には多様な子供たちの特性に合う多様な教科書が必要だ。李明博政権でも教科書発行体制を検定から認定体制に変える政策を展開したが、今になって国定に退行することは極めて後進的だ」と批判した。

チョン・ジョンユン記者 ggum@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/652937.html 韓国語原文入力:2014/08/27 10:40
訳M.S(1549字)

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