本文に移動

韓国の賃金労働者45%が残業で「7時過ぎに退勤」

登録:2014-10-12 22:01 修正:2014-10-13 21:40
ワーストの仁川市は20万人が夜9時まで働く
韓国の労働時間//ハンギョレ新聞社

 韓国は経済協力開発機構(OECD)が発表する国家別年間労働時間で、常に“最上位圏”に属する。 昨年も1人当り2163時間で、メキシコに次ぎ2位を占めた。 この統計でも見えなかった韓国社会の長時間労働の素顔が明らかになった。

 『ハンギョレ』と韓国労働安全保健研究所労働時間センターの労働時間調査分析チーム(ソウル大学社会学博士課程キム・ボソン、イ・サンジク)が「2013年上半期地域別雇用調査」(統計庁)で明らかになった週当り労働時間を「ナイン・トゥ・シックス」(9時出勤6時退勤)という一般的労働パターンに代入して換算した結果、“不夜城”を出現させる長時間残業の実態が確認された。

 会社員全体(賃金労働者)1743万3454人中の882万2865人(45.7%)は、午後7時前に退勤できていなかった。 夜9時以後の退勤者も260万6816人(15%)に達するが、夜9時以後の退勤は昼休みを除けば一日11時間以上働いているという話だ。 これらの人々は週当りの延長勤労時間が15時間に達した。 勤労基準法が定める延長勤労時間(12時間)を軽く越える。

 残業比率が最も高い都市は仁川(インチョン)市で、この地域の企業に雇用された労働者106万4370人のうち20万3447人(19.1%)が夜9時まで退勤できなかった。 仁川は夜10時(15万9587人、15%)、夜11時(7万4845人、7%)、夜12時(5万6238人、5.3%)の夜勤人口比率も全国1位だ。 仁川に次いで夜9時までの残業人口比率が高い地域は、忠清南道(13万3793人、18.4%)、大邱(テグ)市(14万2101人、17.4%)、慶尚北道(12万3100人、15.3%)、京畿道(66万8603人、15.2%)の順であった。

韓国の労働時間//ハンギョレ新聞社

 残業人口比率が高いのはこのような地域にある国家産業団地の影響が大きいと見られる。 仁川南東工業団地、大邱城西(ソンソ)工業団地、慶尚北道亀尾(クミ)工業団地、京畿道半月・始華(パンウォル・シファ)工業団地などは自動車メーカーの協力業者など零細中小事業場が密集している。 延長・休日勤労などに対する管理・監督が緩いという指摘を受けている地域だ。

 深夜勤務が蔓延して勤労基準法が許容する週当り最長労働時間(40時間+延長勤労12時間)を超過して仕事をする人々は、会社員全体の17.2%(285万363人)に達している。

 ところが最近、クォン・ソンドン セヌリ党議員は延長勤労時間を12時間から20時間に増やす勤労基準法改正案を発議した。 韓国労働安全保健研究所労働時間センターの研究員であるキム・ジェグァン労務士は「仕事と家庭の両立のための対策を言いながら、労働時間を延長しようというのはつじつまが合わない。 うわべだけの“8時間労働”を実質的に達成することから始めなければならない」と指摘した。

チン・ミョンソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/659436.html 韓国語原文入力:2014/10/12 21:40
訳J.S(1384字)

関連記事