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[深層レポート]長時間労働を強いられる韓国の会社員

登録:2014-10-13 01:29 修正:2014-10-13 21:46
夕飯のある生活(1)崖っぷちに立たされた共稼ぎ夫婦
24時間運営の保育園に預けられた子供が保育士に抱かれたまま玄関の外を眺め、夜遅くになっても引き取りにこない母親や父親を待っている。両親が共に夜遅くまで勤務する園児たちは帰宅できず保育園で寝る。シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 人気テレビ芸能番組「パパ! どこ行くの?」と「スーパーマンが帰ってきた」に出てくる夫とパパは、退勤後にも家事・育児を分担する“スーパーマン”だ。 公企業に勤務するワーキングママのキム・ヘヨンさん(仮名・39)の夫は、そんなスーパーマンの足元にも寄れない。 事実上「存在しない人」扱いを受けている。

 大企業に通う夫とは“週末夫婦”でもないのに、週末にだけ顔を合わす。 互いに夜勤が多いので、平日に気軽に向き合って対話するのも容易ではない。 7歳の娘にとってもパパは“週末のお客さん”だ。 食卓での教育が重要だというものの、ヘヨンさんの家族は一週間にかろうじて一度だけ食卓に集まって座る。

 ヘヨンさん夫婦の最初の危機は育児休職が終わった後にやってきた。 ヘヨンさんは「休職が終わっても子供はまだ1歳だった。 自分と夫は二人とも適時に退勤できないので、そのストレスを互いにぶつけ合い、結局は離婚届けまで準備する状況に至った。 身の回りにも子供が幼い時に離婚の危機に瀕した友達が多くいた」と語った。 近頃は夫との関係回復を試みているが、6年余りにわたって積もった沈殿物は簡単には溶けない。 ヘヨンさんは「100%回復は無理なようだ」と話した。

 『ハンギョレ』と韓国労働安全保健研究所労働時間センター、社会健康研究所が統計庁の「2013年地域別雇用調査」を基に全国16市・道の会社員(賃金労働者)の週当り労働時間を分析した結果、韓国の会社員1743万人のうち470万人(27%)は毎晩8時まで退勤できていないことが明らかになった。 夜9時にも事務室に残っている会社員は260万人(15%)に達した。 会社員10人に1人は、退勤後には寝る以外のことは事実上何もできない夜10時以後に退勤している(202万人、11.6%)。 深夜12時以後に退勤する人も61万人(3.5%)に達する。

 幼児と青少年の子供を持つ30~40代の場合、男性と女性の労働時間格差が大きかった。 30代男性の週当り労働時間は47.2時間で、女性(41.7時間)より5.5時間長く仕事をしていた。 週当り46.6時間働く40代の男性は、女性(42時間)より4.6時間長く仕事をしていることが明らかになった。 両年齢帯は共に男性が女性より1時間程度退勤が遅いことになるが、“夕飯のない生活”が子供を育てる共稼ぎ夫婦の仕事も人生も脅かしているという実証的資料であるわけだ。

 16市・道のうち、30代の男性と女性の労働時間格差が最も大きい地域は大邱(テグ)(7.2時間)で、全国平均(5.5時間)より1.7時間多かった。 40代では蔚山(ウルサン)の労働時間格差が6.6時間で最も大きかった。

チン・ミョンン、キム・ヒョジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国の長時間労働

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/659420.html 韓国語原文入力:2014/10/12 21:45
訳J.S(1320字)

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