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税収不足には支出を止めるか罰金を増やす?

登録:2014-10-09 22:26 修正:2014-10-10 00:03
政府が景気展望を誤り税収進度率が低下

 韓国では今年8兆ウォン(1ウォンは約0.1円)を超える税収不足が予想されている。 入ってくる金(歳入)を予想した後、それに合わせて出て行く金(歳出)を決めたが、予想より税金が集まらないという話だ。“出て行く金”は国会が予算案を通過させ、国民に約束した政策であるだけに簡単には減らせない。

 一方で“入ってくる金”はほとんどが税金だ。 企画財政部の資料によれば、所得税と法人税、付加価値税など今年7月までの国税税収進度率は57.5%だ。 2000年代に入り最大規模の歳入欠損(8兆5000億ウォン)が生じた昨年同期(60.7%)よりさらに3.2%も低い。 税収進度率とは、税務当局の税収目標値に対する徴収実績を示す。 税収進度率が低いのは、政府が景気展望を誤り、企業や自営業者などの状況が悪くなることが最大の原因だ。 政府は今年の経常成長率を6.5%と展望したが、実際には5%中盤の成長率達成も難しいと見られる。

 それでは、政府は税収が不足する時どうするのか? まず短期的な税収不足には韓国銀行からの一時借入金や財政証券発行を利用する。 韓国銀行の一時借入金とは、金が入って出ていく時期が一時的に合わず、短期的に発生する不足分を解消するために政府が韓銀から一時的に金を借りることをいう。 この金はその年の内に返さなければならない。 財政証券は政府が会計年度内で一時的に不足した国庫資金を市場から調達するために発行する満期1年以内の証券だ。 財政証券を含め今年の一時借入は30兆ウォンまで使える。

 一年の財政が深刻に厳しい時は、追加補正予算を編成することもある。 追加予算はやむをえない理由で既に決定された予算を変更することだが、これを通じて国債(国の借金)を当初決まった金額より多く発行できる。 それだけに要件が難しい。 国家財政法(第89条1項)によれば、戦争や大規模自然災害が発生したり、景気低迷・大量失業などの重大な変化が発生、またはその恐れがある場合などに限り追加更生予算が組める。 昨年17兆3000億規模の追加更生を実施したが、このうち12兆が歳入不足を埋めるためだった。

 税収が不足した年には警察の罰金賦課件数が増加するという話も出ている。 実際、警察庁が今年前半期に賦課した交通反則金が史上最大の612億ウォンを記録して“税収埋め”という批判が出ている。

 “出て行く金”(歳出)を若干調整したりもする。 予定された支出をしなかったり(不用)。翌年に支出を繰り越させる。 昨年は追加経費までしたが、税収不足に苦しんだ企画財政部が各部署に積極的に不用処理をするよう指示して論議にもなった。 昨年の不用額は史上最大の18兆1千億ウォンに達した。 チェ・ギョンファン経済副総理兼企画財政部長官は、今年の「追加経費はない」と公言した。 大規模税収不足が予定される中で、企画財政部国庫局は今、対応方案を苦悩中だという。企画財政部内には「金がなければ使わない」という言葉があるが、結局は不用に寄り添うのではないかと思う。

世宗/キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/659112.html 韓国語原文入力:2014/10/09 19:57
訳J.S(1435字)

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