「表現の自由と私生活を侵害する憂慮」
検察がサイバー空間での虚偽事実流布事犯に厳正対応すると発表したことに対して、韓国の国会立法調査処が「個人の表現の自由および私生活を侵害する恐れがある」と指摘した。 検察は先月18日に関連機関対策会議を通じて「サイバー上での虚偽事実流布事犯に対する厳正対応」の方針を発表し、サイバー検閲論議を巻き起こしている。
国会未来創造科学放送通信委員会所属のチャン・ビョンワン議員(新政治民主連合)は、検察のオンライン虚偽事実流布事犯に対する厳正対応方針の発表について、立法調査処に法的妥当性の検討を依頼した結果、法的に問題があるという検討意見を受け取ったと6日明らかにした。
チャン議員が公開した立法調査処資料によれば、立法調査処は「犯罪行為者に対する処罰強化と、これを通じた犯罪行為予防は当然に検査がしなければならない職務と言える。しかし、名誉毀損の場合には他人の名誉など個人の人格権保護に重点を置くならば逆に個人の表現の自由を萎縮させる恐れがある」とした。2つの基本権の均衡という側面で検察のサイバー上虚偽事実流布事犯厳正対応の中で、事案が重大な場合には告訴告発以前でも迅速に捜査を開始しようとしている部分については憂慮されると指摘した。
立法調査処は憂慮されると判断した理由として、第一に個人に対する名誉毀損の場合、被害者の告訴告発以前に虚偽か否かは把握が難しく、第二に名誉毀損罪の場合、個人の私生活保護という側面で親告罪または反意思不法罪と規定するという点で、告訴告発以前に捜査を開始する場合、その事実を世の中に知らせることになり、かえって被害者に被害を与えかねないという点、第三に最高裁判例は名誉毀損の対象に政府の政策や政府の政策担当者は含まれないとしている点を挙げた。
チャン議員は「中立的で専門的な国会立法調査処による検討の結果、法律的に多くの問題があると指摘された以上、検察は無理なサイバー検閲を直ちに中断しなければならない」と話した。
一方、検察の発表以後、韓国最大のメッセンジャーサービスである「カカオトーク」に対する検閲を憂慮して、メッセンジャー利用者がドイツの「テレグラム」に移行する“サイバー亡命”がますます増加している。 6日現在、テレグラムのダウンロード ランキング順位はiPhoneのソーシャル分野で1位、アンドロイドのコミュニケーション分野で2位だった。アイフォンのソーシャル分野でのテレグレムのダウンロード順位は、検察発表前で110位を下回る水準だった。
利用者数ではすでに100万人以上が自分のスマートフォンにテレグレムを設置して使っていたことが分かった。 「ランキング・ドットコム」の集計によると、先月28日から今月4日までのテレグレムのアプリ利用者は英語バージョンが107万6000人、韓国語バージョンは30万5000人に達する。前週に比べ英語バージョン使用者数は2倍、ハングルバージョンは600倍に増加した。これに対しテレグレムは2日、ツイッターを通じて韓国語翻訳専門家を求めると明らかにし、テレグレムが直接韓国語サービスに乗り出すという展望が出始めている。