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従軍慰安婦の強制性否定に積極的に乗り出す安倍首相

登録:2014-09-15 07:06 修正:2014-09-15 07:54
朝日新聞検証報道を活用
世界に向けた世論戦を本格化させる
民主陣営からの反論で理念論争に
慰安婦制度そのものが批判対象
安倍晋三 日本総理 //ハンギョレ新聞社

「日本軍が誘拐犯のように家に押し入り少女たちを拉致して慰安婦にしたという記事を見れば、誰だって腹が立つ。これが誤ったファクトということを『朝日新聞』自らがさらに努力して(世界に)伝える必要がある」

 14日午前、『NHK』の討論番組「日曜討論」に出演した安倍晋三首相は、以前より余裕がある表情だった。

 彼はこの日、朝日新聞の慰安婦報道に関連し、「(日本軍が直接)慰安婦の女性たちを強制連行したのではないという事実を、新聞がさらに積極的に世に知らせる必要がある」と話した。朝日新聞が先月5日と6日付で「日本官憲が済州(チェジュ)島で未婚の朝鮮人女性たちを狩りをするように慰安婦にした」という、いわゆる“吉田証言”が虚偽であることを認めたのを最大限に活用し、今後は世界で慰安婦問題に対する世論戦を本格的に展開するという意思を明らかにしたわけだ。

 安倍首相は今回の事件を機に、「韓国と関係を改善できるならば良いことであり、これ(朝日新聞の強制連行報道)が事実ではないということを国際的にどのように明らかにしていくのかも今後考えていくべきだ」と明らかにした。これは日本政府が慰安婦問題と関連して韓国政府に「先に誠意ある措置」などの譲歩案を出さないという意志を間接的に明らかにしたものと解釈される。高市早苗総務大臣など自民党の一部勢力はさらに一歩踏みこみ、日本政府は慰安婦動員の過程で軍の介入と強制性を認めた「河野談話」(1993年)を修正しなければなければならないと主張している。

 これに対し日本の民主陣営から反論が噴出するなど、慰安婦問題が日本社会の“理念論争”に広がる雰囲気だ。 論争の当事者である朝日新聞は先月28日、「(吉田証言が崩れても女性に対する重大な人権侵害という)慰安婦問題の核心は変わらなかった」と指摘し、『テレビ朝日』も12日、看板番組の「報道ステーション」を通じて、日本政府が慰安婦動員過程の強制性と軍の介入を認めた河野談話を作成する際、吉田証言を根拠にしなかったことを関係者の証言を通して確認した。

 また、放送は東郷和彦・東京産業大学教授(元外交官)を出演させ、「世界では慰安婦問題を考える時、日本で主張しているように“強制連行があったか、なかったか”という観点ではなく、“自分の娘がそんなめにあった時、この問題をどう考えるだろうか”という観点で見ている」という見解も紹介した。 日本の軍と官憲が慰安婦制度を作って運営したのは明らかな事実であり、この過程で女性たちの自由意志が無視されたのなら、日本政府の責任は避けられないと強調したのだ。山口二郎・法政大学教授は今月7日『東京新聞』のコラムで「国際社会で批判を受けるのは慰安婦制度の存在そのもの」であるとして、「日本のマスコミは意図的に国民に木を見せ森を見ないよう誘導している」と論争に加わった。

//ハンギョレ新聞社

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.09.14 21:19

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/655149.html 訳Y.B(1267字)

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