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公務中の警察官侮辱で現行犯逮捕は職権乱用か

登録:2014-08-27 21:27 修正:2014-08-28 07:54
警察「正常公務執行ために必要」
逮捕時の人権侵害の陳情は昨年33件
「事後処罰が可能、公権力乱用」との批判も
警察手錠., <ハンギョレ>資料写真

 K氏は昨年12月、不法駐車車両を移動させよとのパトカーの警告を聞いた。酒場で誕生日パーティーをした後、2次会でクラブが密集した地域を歩いていたK氏はこれを見て「×××でもあるまいし、そんなの聞こえるわけないだろ」と悪態をついた。クラブで踊っている人たちに聞こえるわけがない警告のアナウンスをしている警察官をばかにしたわけだ。しばらくして、警察官2人が彼らを侮辱したとしてK氏を現行犯逮捕した。

 警察官を侮辱したという理由で現行犯逮捕される事例が増えている。 警察は公権力の権威失墜を防ぐため警察官個人の人格を侮辱する行為を処罰せざるをえないという立場だが、感情的対応が公権力の乱用を煽るという反論も侮れない。

 26日に国家人権委員会の資料を調べると、警察官を侮辱したとして現行犯逮捕される過程で人権を侵害されたという陳情事案は、2011年の20件から2012年に22件、2013年には33件に増えた。陳情の理由としては、逮捕要件不備(58.5%)、過度な物理力および手錠の使用(25.9%)が多かった。逮捕の過程で傷害を負った(8.6%)という陳情も提起されている。

 人権委は侮辱行為者の身元を確認して事後に処罰できるにもかかわらず、裁判所が発行した逮捕令状を持たずに執行する現行犯逮捕は公権力の乱用だという立場だ。チェ・ウンスク人権委調査総括課調査官は「刑事訴訟法は現行犯に対しては誰でも令状なしで逮捕できるよう定めている。 侮辱行為をした人を現行犯と見る警察の論理に従えば、交通事故が起きてお互いを侮辱して争えば、二人とも侮辱罪で逮捕できることになる。一般の人につはそうはしないのに、警察官が公権力を持っているという理由で逮捕するのは公権力の乱用」と話した。

 反面、警察はこうしてでも侮辱行為は制止する必要があると主張する。 ウ・サンジン松坡(ソンパ)警察署可楽(カラク)地区隊長は「人権委に陳情が入った事案を見れば、警察官が不適切に措置した例も確かにある。 だが、ほとんどが続けざまに警察官に悪口を言うケースで、悪口を言い終わった後になって告訴するのは実質的に難しい。 正常な公務執行のために逮捕することが多い」と話した。

 誠信(ソンシン)女子大学のイ・ソンギ教授(法学)は「警察官を侮辱した人は処罰を受けなければならない」としつつも、「現場を録音するなど、手続きや適用要件を明確にし市民の不満を買うことが無いようにすべきだが、警察官が即興的かつ感情的に対応して問題を悪化させている面がある」と語った。

 人権委は27日、ソウル中区(チュング)乙支路(ウルチロ)1街の人権委人権教育センター別館で「警察官侮辱罪 現行犯逮捕の問題点と改善方案討論会」を開く。

チン・ミョンソン記者 torani@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/652880.html 韓国語原文入力:2014/08/27 11:57
訳J.S(1355字)

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