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[マガジンesc] 部屋の前の土間とポカポカのオンドル

登録:2014-08-21 01:19 修正:2014-08-21 07:47
新築された韓屋村(ハノク マウル)たち
人気高まる韓屋宿泊体験…伝統情緒に便宜性も強化
金海(キムヘ)韓屋体験館。 各韓屋村(ハノク マウル)提供

独立した建物で空間も広々
公州韓屋村(コンジュ ハノク マウル)
石を熱するオンドルのぬくもりが絶品

 週末旅行や休暇の時に韓屋に泊まろうとする人々が増え、古宅や韓屋(伝統的韓国式家屋)体験村が人気を呼んでいる。 毎年大幅に増加している韓屋宿泊体験業者の数がこうした人気を反映している。 2009年に韓屋体験業者指定登録が始まって以来、2013年末現在で運営されている業者数は古宅と新築の韓屋を含めて813か所に達する。 465か所だった2年前に比べて倍近く増えた。(韓国観光公社資料)

 静かな雰囲気で好まれてきた既存の古宅以外にも、最近は便宜性を強調した新築の韓屋体験村が家族や恋人同士の旅行客の人気宿泊地に浮上している。 外観も内部構造も韓屋形式に従うものの、部屋ごとにトイレ・シャワー室を備えプライバシーまで配慮した宿泊施設だ。 ホテル級の高級施設ではないが、伝統韓国式家屋の情緒を享受して気楽に休める。 最近建てられた所は、部屋ごとに独立した中庭を設けたり、伝統暖房であるオンドルの石を置くなど、多様な方式で進化している。 韓屋ホテルの客室料が20~30万ウォン台であるのに比べて、韓屋体験館の客室は1泊でおおよそ10万ウォン内外なので費用負担も少ない。 週末家族旅行の宿泊地としてみたい代表的な新築韓屋村を紹介する。

高敞邑城(コチャンウプソン)韓屋村(ハノク マウル)

高敞邑城(コチャンウプソン)韓屋村(ハノク マウル)のひん風堂。 各韓屋村提供

 全羅北道(チョルラプクド)高敞郡(コチャングン)の高敞邑城(コチャンウプソン)の入口に今年7月に開場した新しい韓屋村だ。 高敞邑城(牟陽城)は、端宗の時に外敵侵入に備えて積んだ邑城で、高敞県監が居住した内衙と執務した東軒、客人が泊まって行った客舎などの建物が残っている。 これらの昔の建物をまねて作った韓屋で体験型韓屋村を作った。

 水鬼堂・牟陽之館・ひん風堂など全て高柱大門と黄土の土塀、中庭を備えた風格のある韓屋建物11棟で構成されている。 12坪から20坪までの独立客室から選択できる。 新しく建てた韓屋なので、すべての施設が清潔なのが長所だ。 居間は天井がなく、大黒柱・垂木が露出した構造なので空間が一層広く見える。 独立建物ごとに中庭が付いていることも魅力だ。

 各客室の居間と寝室にはエアコンが個別に設置されていて、トイレ・シャワー室も付いている。 韓屋村の管理人は「冷蔵庫・コーヒーポットはもちろん、客室ごとにシャンプー・リンス・石鹸・タオルなどの洗面用品が備わっていて、お客さんは歯ブラシだけ持ってくれば済む所」と自慢した。 炊事は出来ないので、食事をするには外の食堂を利用しなければならない。 宿泊料は客室の大きさにより平日で8万~13万ウォン(1ウォンは約0.1円)、週末は12万~18万ウォンだ。 シーズン料金は別にない。

 車で3分の距離にはゲルマニウム泉の石汀(ソクチョン)温泉があり、古刹 禅雲寺(ソヌンサ)、世界文化遺産の支石墓(コインドル)遺跡なども遠くないところにある。

公州韓屋村(コンジュ ハノク マウル)

公州韓屋村(コンジュ ハノク マウル)客室の居間。 各韓屋村提供

 忠清南道(チュンチョンナムド)公州市(コンジュシ)熊津洞(ウンジンドン)の観光団地通りに位置する風格ある韓屋村だ。 わらぶきの家・瓦の家が混在する個別宿泊棟がそれぞれに趣があって、恋人・家族単位の宿泊客が絶えない。この韓屋村の長所の一つは、すべての部屋に伝統暖房施設であるオンドルが設置されていることだ。 気温が下がる時期に予約すれば、オンドルに火をつけてくれる。 黄土と木で建てられた宿泊棟は客室の規模は大きくないが、すっきりしていて情感こもる雰囲気をかもし出してくれる。

 客室選択の幅が広いことも長所だ。 身土館、不二館・靖安館など13棟の個別建物に23個の大小客室ユニット(60個余りの部屋)が用意されている。 客室ごとにトイレ・シャワー施設が付属している。 6棟30余室の団体宿泊施設もある。 附帯施設も多様だ。 市場通りの食堂街が用意されていて、宿泊客のための野外バーベキュー施設も設置されている。 ここにオートキャンピング場、工房村、公州栗の売場も備えている。 宿泊料は平日は5万~20万ウォン、週末は7万~25万ウォン。

 小さい子供連れの家族旅行者に人気なのが多様な伝統文化体験だ。 季節に応じて百済茶体験、公州栗落雁作り体験、筆箱・宝石箱などを作る韓紙工芸体験、そして旧百済人の服を着てみる百済王室服体験もできる。 周辺には百済の歴史を探りながら散歩できる公山城(コンサンソン)と国立公州博物館、武寧王陵などがあって一見の価値がある。

金海(キムヘ)韓屋体験館

金海(キムヘ)韓屋体験館。 各韓屋村提供

 慶南(キョンナム)金海市(キムヘシ)鳳凰洞(ポンファンドン)の金首露王陵付近にある金海文化財団が運営する伝統文化・宿泊体験施設だ。アンチェ(母屋)とアレチェ(離れ)、サランチェ(舎廊棟)、ピョルチェ(離れ座敷)、ヘンランチェ(門屋)、パッカルチェ(外棟)、ホッカンチェ(納屋)とサダン(祠堂)など7棟の韓屋建物から構成されている。

 宿泊できる客室は2人部屋・4人部屋を含めて13室だ。 客室数は比較的に少ないが、釘を使わずに作った韓屋としてこの規模は必見だ。 食堂が別に用意されていて、天然染色・花盆(鉢植え)などの体験行事や各種文化行事・公演も多彩に行われる。 宿泊料金は平日4万4000ウォン~8万ウォン、週末6万~10万ウォン。

イ・ビョンハク先任記者 leebh99@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/specialsection/esc_section/652041.html 韓国語原文入力:2014/08/20 19:34
訳J.S(2601字)

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