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教皇が「お金」にしか見えない韓国の保守メディア

登録:2014-08-15 20:05 修正:2014-08-16 08:55
フランシスコ教皇の訪韓を翌日に控えた14日付B1面紙面。SNSではこの報道の批判が噴出した。

中央日報「お金になります。ありがとうフランシスコ」…SNSで袋叩き
資本主義を叱咤した教皇のメッセージに反し、一部メディアが露骨な報道

 14日の教皇訪問を控えてソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では『中央日報』の記事で一騒動あった。「お金になりますね。ありがとうフランシスコ」というタイトルを付けた経済面トップ記事のためだった。ネットユーザーらは「教皇訪韓が金儲けか」「命より金を追い求める新聞社であるのが分かる」と非難した。

 教皇の訪問が及ぼす肯定的影響力を称える「フランシスコ効果」は世界的な現象だが、韓国のメディアは「経済的効果」のみを強調しているとの批判が出ている。

 教皇が韓国を訪問して伝えようとした人間尊厳のメッセージより、「お金になる」現象に注目したのは中央日報だけではない。今月8日、経済誌『エコノミー朝鮮』の「セウォル号で傷ついた韓国経済 回復期待」というタイトルの記事は、「フランシスコ教皇の今回の訪問が、セウォル号事態で低迷した内需経済を生き返らせることができるかに関心が集中している」から始まり「デジタル音響機器会社○○○は列福式ミサに自社製スピーカーを無償提供する予定だ。その事実が知られると、6月初頭には一株当たり2310ウォン台だった株価が7月22日に2685ウォンまで上昇した」と締めくくられた。

 「こんな経済が人を殺しているのだ。どうして株価指数が2ポイント落ちればニュースになり、路上生活者が路上で死んでいくのはニュースにならないのか。どうして人々が飢えて死んでいるのに、食べ物を捨てることを黙って見ていられるのか」といった「語録」を残したフランシスコ教皇を思えば皮肉としか言いようがない。

 その後、「教皇マーケティング」を狙った流通業界の期待感などが反映され、「8月のクリスマス効果、5500億(ウォン)の祝福」(『アジア経済』)、「教皇訪韓、低迷した韓国経済復活の契機 期待」(『ニュースY』)を始め、「教皇の選択○○」「『5000億』教皇迎える戦争」などという品のないタイトルを付けたインターネットメディアの似たような記事があふれている。

 もちろん、経済的効果に対する分析も重要だ。しかし「権力と所有に対する渇望はとどまることを知らない。利益の邪魔になれば、環境問題のような壊れやすいものなどが、市場利益の前で無力化される。こうした理念は少数のみが富裕になる経済不均衡をもたらし、国家が公益のために統制を行使する権利を拒否する」と語り、今日の経済現象を痛烈に批判した教皇のメッセージは消え去り、「人気」だけがマーケティングの手段に利用されている状態は本末転倒だとする批判も強い。あるネットユーザー(@soun****)は、「フランシスコ教皇の姿と行動の理由に注目しなくてはならない。随行する車のブランドや車種、手首にある時計のブランド、モデル、価格などに対する内容ばかり浮き彫りにするツイートを見ると、正直、中央日報と違いないと思う」と偏ったマスコミ報道を批判した。

チョン・ユギョン記者 edge@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/media/651180.html 韓国語原文入力:2014/08/14 19:36
訳M.S(1468字)

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