教皇、傷ついた社会的弱者の出迎えを受けて韓国に到着
障害者、セトミン(脱北者)、移住労働者たちにも慰労の挨拶を伝える
「セウォル号で胸が痛みます。 犠牲者たちの思いを胸の奥深くに刻みます」
フランシスコ教皇は韓国に足を踏み入れるやセウォル号遺族たちに会い、こう慰労した。
教皇は14日午前10時36分、城南(ソンナム)のソウル空港に到着し、韓国の地を初めて踏んだ。 その後、教皇は空港で出迎えたセウォル号犠牲者の母親が涙まじりに話すと、手をぎゅっと握り「セウォル号で胸が痛い。犠牲者を胸の中に深く大事にしまう」と言って慰めた。
この日教皇を出迎えるために出てきた天主教一般信者32人の中には、故ナム・ユンチョル安山檀園高校教師の父親ナム・スヒョン氏と夫人ソン・ギョンオクさん、司祭を夢見た故パク・ソンホ君(檀園高2年)の父親パク・ユンオ氏、一般人犠牲者である故チョン・ウォンジェ氏の夫人キム・ポンヒさんらが含まれていた。 教皇はこれらの人々の手を一人ひとりしっかり握って悲しみを慰め祈った。
一般信者の中には、セウォル号遺族の他にも、障害者、セトミン(脱北者)、フィリピンとボリビア出身の移住労働者、犯罪被害者の家族の集いハミル会員など、疎外されて傷ついた社会的弱者が多数いた。 教皇は通訳を通じて一人一人の事情を伝え聞き、慰労の挨拶を交わした。
これに先立ちフランシスコ教皇は迎えに出た朴槿惠大統領に会い、「私も韓国に来ることができてうれしい。 アルゼンチンのブエノスアイレスでも韓国の人々と良い関係を結んだ」と話した。 朴大統領は「教皇の訪韓を契機に暖かい慰労が伝えられ、分断と対立の韓半島に平和と和解の時代が開かれることを願う」と話し、これに対し教皇は「心の中に深く大事にしまってきた」と答えた。
教皇は飛行機から降りるまで11時間30分の長い飛行のせいか、多少疲れた様子を見せた。 飛行機から降りる時は、欄干をつかみながらゆっくりと降りてきた。 しかし、美しい韓服を着た二人の子供から花束を受け取った瞬間、教皇の顔に明るい微笑が浮かんだ。 教皇は空港で公式的なメッセージを伝えはしなかった。 ただ、出迎えに出てきた人々の手を一人ひとり触れて小さな声で慰労した。
教皇は空港に到着して10分後の10時45分頃、小型車ソウルに乗ってソウル空港を後にした。
ソ・ボミ記者 spring@hani.co.kr