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「ハンスト中のセウォル号遺族たちを追い出して施福式を挙行することはできない」

登録:2014-08-13 10:28 修正:2014-08-13 11:18
訪韓準備委カン・ウイル主教
「苦しんでいる国民にフランシスコが
慰労と希望を与えるだろう」
カン・ウイル 韓国天主教 主教

ハンスト座り込み中のセウォル号遺族たち
光化門(クァンファムン)施福式への
参加を可能にするため論議中
4泊5日の過密な日程、高齢のため健康を憂慮

「海の中で亡くなった子供たちを思い涙を流している人々を広場から追い出し、イエス様に差し上げる愛のミサを挙行することはできない」

 韓国天主教主教会の議長として教皇訪韓準備委員長を務めているカン・ウイル主教(写真)は12日、ソウル明洞聖堂文化館で記者会見を行い「セウォル号特別法の通過を要求してハンスト座り込み中のセウォル号遺族たちが、光化門(クァンファムン)施福式行事のために物理的に退去させられたり追い出されることを望まない」と明言した。 これに伴い、座り込み中の遺族たちが施福式行事に参加できるよう実務協議中という。

 カン主教は「国家運営システム全体の失敗がまるごと露呈したセウォル号沈没のような残酷な大事故が起き、また国を守るべき軍の兵営内で非人間的な暴力が日常化され、慣行的に繰り返されているという恥部が明らかになり、韓国国民は強い衝撃を受けている」と語り、こう続けた。

「苦しんでいる人々のもとに真っ先に訪ねるフランシスコ教宗(教皇)なので、衝撃を受けた私たちの傍に来られ、使徒ペテロの後継者として慰労と希望の福音をお与えになられると信じる」

 カン主教はセウォル号事故の遺族に教皇がされるメッセージに関連して、「遺族たちと会えるように席を配分して準備はしたが、どのような行動やお言葉をされるかは分からない」と答えた。「今の韓国がどのような状況にあり、教会がなにを体験しているのかという情報を教皇に詳細に差し上げようと努力したが、具体的な問題に対してどんな話をされるのかヒントは受け取っていない」という。

 カン主教は「教宗はすでに勧告文『福音の喜び』を通じて、経済・政治・国際関係などに深い関心を示し、教会が積極的にそのような現場に飛び込むよう私たちに要求した。またその延長線上で、カトリック教会の首長として福音の大原則と現在様々な国々が体験している問題に対して幅広い助言をするかも知れないが、具体的な現実に対する答や助言は無理だと考える」と話した。

 その一方で彼は、「フランシスコ教宗は私たちが被っている困難を見聞きし、共有して、苦しんでいる人々に神様の愛と希望を宣言するだろう」という信頼の言葉を伝えてくれた。

 彼は「与野党の再協議を切実に望むセウォル号犠牲者家族の願いが受け入れられ、正確な真相調査と事後措置を徹底的に保障するセウォル号特別法を迅速に通過させるよう、国会では最善を尽くすことを望む」と語り、韓国天主教指導者としての要請を忘れなかった。

 カン主教は教皇という表現の代わりに教宗と呼ぶ。 韓国天主教の公式用語集には「ポープ」(the Pope)を教皇または教宗と定めている。 これについて彼は「カトリックがアジア圏に導入される約400年前には、ローマ教皇庁がヨーロッパ大陸で帝国の政治的な権力や地位を実際に持っていたので、アジアの人たちは皇帝級の政治的な職位と受けとめ教皇という用語を使ったが、カトリックは1963~65年の第2バチカン公会議を通じた膨大な刷新作業を経て、それ以前とは異なる新しい教会観に変わった」として、「教皇という言葉が永く使われた結果、慣れ親しんで時々使われるが、意識的に皇帝のイメージ取り去る刺激を与えるために、教宗という単語を頑固に使うようにしている」と説明した。

 カン主教は「高齢の教宗がソウルと大田(テジョン)を往復するという4泊5日のきつい日程のため、途中で倒れはしないか心配している」と憂慮した。

 彼は「教宗が休暇も拒んで、地球の反対側から、特にアジア大陸の中でも最も遠い韓半島を最初に訪れるのは、韓半島とアジアの平和のために祈りたいという念願のためだと考える」として、「教宗が私たちと共にする間、私たちも教宗の意に心を一つにし、伝えようとする‘愛と希望’の中にお互いを包容して和合し、この地に和解と平和の芽が大きくなることを心から望む」と語った。

チョ・ヒョン宗教専門記者 cho@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/religious/650953.html 韓国語原文入力:2014/08/13 08:54
訳J.S(2008字)

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