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セウォル号の遺族たち「セヌリ党、あまりにひどい」と公開批判

登録:2014-07-16 00:51 修正:2014-07-16 07:31
セウォル号の遺族たちが12日午後、国会前で、特別法制定過程に遺族の参加などを要求して沈黙座り込みをしている。キム・ギョンホ記者 jijae@hani.co.kr

「国政調査以前から事あるごとに妨害…国政調査開始以降はさらにひどくなり」
「居眠りしたり家族に暴言を吐いたり、調査対象には免罪符を与える発言」
「このまま行けば、セヌリ党に一抹の期待も持てなくなりそう」

 “セウォル号惨事”被害者の遺家族たちが13日記者会見を開き、国政調査と関連したセヌリ党の態度を強く批判した。遺族たちが国政調査と関連してセヌリ党を公開的に批判したのは今回が初めてだ。

 <セウォル号惨事犠牲者・行方不明者・生存者家族対策委員会>(以下、家族対策委)は同日、国会議事堂前で記者会見を開き、「セヌリ党は国政調査の開始当初、機関報告の対象機関選定に当たって、大統領府秘書室を除外するため多くの努力を傾け、機関報告の時期と予備調査員として参加する遺族の人数などを巡って事あるごとに妨害した」として「こうしたセヌリ党の態度は、国政調査に対する真正性を疑わせた」と批判した。

 家族対策委はさらに「国政調査開始後もセヌリ党の不誠実な態度は少しも改善されず、むしろ一層ひどくなるばかりだった」として「国政調査の初日から居眠りしたり、家族たちに暴言を吐き、まともに準備していない姿を見せた。また調査対象となった機関の過ちを指摘するよりは弁解の機会を与えたり、免罪符を与えるような発言をする場合もあった」と主張した。家族対策委は具体的に去る2日の海洋警察の機関報告時にセヌリ党出身の特別委委員長シム・ジェチョル議員とチョ・ウォンジン議員が特別委員会の停会中に海洋警察庁長と別途に会って密談している場面を家族に見つかったと公開した。家族対策委は「このような態度は不誠実を越えて、国政調査に対する信頼を断念させる行動だ」と批判した。

セウォル号の遺族らが12日午後、国会前で、特別法制定過程に遺族の参加などを要求し、沈黙座り込みをしている。キム・ギョンホ記者 jijae@hani.co.kr

 家族対策委は特に「チョ・ウォンジン議員は私たちの子供たちをはじめ、セウォル号惨事の犠牲者を鶏に比喩するような発言をした」として「一体何が目的でこんな態度を見せるのか疑問だ」と声を高めた。

 家族対策委は「セウォル号惨事特別法」の制定と関連しても「私たち被害者の遺家族は特別法制定過程で与党、野党そして家族が参加する“3者協議体”を構成し運営することを提案した」として「新政治民主連合は遺族の意見を十分に反映させるために努力するという態度を見せた反面、セヌリ党は党内の意見収斂が先だとか、家族たちが注視していると議論が円滑にいかないだろうと言って、家族の参加に否定的な態度を見せた」と指摘した。家族対策委は「これは一言で言えば、家族と国民の希望に沿うような特別法は作らないということと見られ失望を禁じ得ない」と明らかにした。

 家族対策委は「このようにセヌリ党に対する私たち家族の立場は次第に否定的に変わりつつあり、このままではセヌリ党に一抹の期待すら持てなくなる可能性もありそうだ」として「セヌリ党はこれ以上国民を不幸にしないでほしい」と要求した。

イ・スンジュン記者 gamja@hani.co.kr  

以下は記者会見の全文である。

 こんにちは。私は<セウォル号惨事犠牲者・行方不明者・生存者家族対策委員会>の首席副委員長キム・ヒョンギと申します。今日は私たち家族みんなが、これまで与党セヌリ党に対して感じてきた点について申し上げたいと思います。

 “セウォル号惨事”と関連した国政調査が始まる頃、機関報告の対象機関の選定に当たって、セヌリ党は大統領府秘書室を除外するため多くの努力を傾けました。家族たちが2泊3日の間国会で座り込みを行なった末に、ようやく大統領府秘書室を機関報告の対象機関に入れることができました。それ以後もセヌリ党は、国政調査機関報告の時期、予備調査員として参加する遺族の数などを巡りことごとに妨害してきた反面、家族たちと約束した“3者協議体”の構成と稼動についてはまともに応じませんでした。こうしたセヌリ党の態度は、国政調査に対する真正性を疑わせるものでした。

実際に国政調査に突入した後も、セヌリ党の不誠実な態度は少しもよくならず、むしろ一層ひどくなるばかりでした。国政調査の初日から居眠りする姿を見せたり、家族たちに対して暴言を吐き、まともに準備していない姿を見せました。調査対象となった各機関の過ちを指摘するよりは弁解の機会を与えたり、甚だしくは免罪符を与えるような発言をすることもありました。7月2日の海洋警察に対する機関報告時には、なんと、停会中に被調査機関である海洋警察庁長にセヌリ党幹事チョ・ウォンジン議員とセヌリ党出身の特別委員会委員長のシム・ジェチョル議員が別途に会って密談する場面を家族たちに見つかったりもしました。

 このような態度は不誠実と評される水準を越えて、国政調査に対する信頼を断念させる行動です。以後にもセヌリ党チョ・ウォンジン議員は私たちの子供たちをはじめ、セウォル号惨事の犠牲者を鶏に比喩するような発言をしました。いったい何が目的でこんな態度を見せるのか疑問です。

 特別法制定と関連しても、セヌリ党は少しも改善された姿を見せられずにいます。家族たちは特別法の制定過程で与党、野党そして家族が参加する“3者協議体”を構成して運営することを提案しています。 与野が政争に走ったり、反対に与野が野合してまともな論議が進められなくなる恐れがあるためでした。特別法は家族のための法でもありますが、安全な社会を夢見るすべての国民のための法です。すでに300万人を超える国民が署名をして下さった以上、家族としては、これほど多くの国民が声援して下さった法がまともな法として作られるよう、議論の過程に参加しようとするものです。

3者協議体の構成と関連して与野党の院内代表に会い、また各党の政策委議長にも会いました。新政治民主連合は遺族の意見を十分に反映するために努力するという態度を見せた反面、セヌリ党は党内の意見収斂が先だとか、家族たちが注視していると論議が円滑に行かないだろうと言って、家族の参加について否定的な態度を見せました。一言で言って、家族と国民の希望に沿うような特別法は作らないということだと見られ、失望を禁じ得ません。

 このようにセヌリ党に対する家族たちの立場は次第に否定的に変わっています。このままでは、セヌリ党に一抹の期待すら持たなくなるかもしれません。国民が与党に対し期待すらしないということ! どれほど不幸な国でしょうか! セヌリ党はこれ以上国民を不幸にしないでいただきたい。

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/646655.html 韓国語原文入力:2014/07/13 15:05
訳A.K(2945字)

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