「セウォル号特別法」の国会審議が漂流するなか
授業に復帰してから20日経った生徒たちが街頭へ
「断食座り込み中の両親たちを慰労し、事故の真相糾明のために」
猛暑が続く15日午後5時、京畿道(キョンギド)安山市(アンサンシ)の檀園(ダンウォン)高校前に制服姿の生徒たちが集まった。 4月16日に起きたセウォル号事故で生還した生徒たちだ。学校の授業に復帰して20日にしかならない生徒たちが街頭に出ることになった。今回も大人たちのためだ。
生徒たちは学校の授業が終了した午後5時20分、檀園高校前からソウル汝矣島(ヨイド)の国会議事堂に向けて歩き始めた。1泊2日で35キロも歩く大行進だ。痛ましい事故が残した傷と、友だちを失った悲しみを癒さなくてはならないはずの生徒たちが、長い道のりを歩いて国会に向かうことになった理由は、漂流し続ける「セウォル号特別法」のためだ。
韓国政界は、事故の真相を糾明して再発を防ぐため、同法の制定に合意した。 与党セヌリ党のイ・ワング院内代表は4日、「与野党の利害を超えた問題」であるとして、セウォル号特別法を7月の臨時国会で通過させることで与野党が合意したと明らかにした。
しかし、与野党とセウォル号事故の犠牲者・失踪者・生存者家族対策委員会は、特別委員会の構成と独立した捜査権と起訴権を特別委員会に与える点で、意見の相違を埋められずにいる。7月の臨時国会は17日で終わる。見るに見かねた家族対策委員会は14日、国会前と都心の光化門(クァンファムン)前で断食座り込みを始めた。
それを見ていた生徒たちもじっとしていられなくなった。事故の真相を糾明し、犠牲になった友だちを弔い、遺族を支援するはずのセウォル号特別法の国会審議が、政界の思惑で漂流した。生還した生徒たちも、慰労されるべき犠牲者遺族たちが街頭に追いやられる姿を黙って見ているわけにはいかなかった。生徒たちは「友だちを失った悲しみや、自分たちだけが助かったという後ろめたさから、少しでも役に立ちたい」という思いで今回の行進を決意した。生徒の一人は「国会と光化門で座り込みを行っている親たちを慰め、事故の真相を明らかにして欲しいという二つの希望を持って出発します」と話した。
生徒たちは16日午前0時頃までにソウル市立勤労青少年福祉館に到着し、翌朝から行進を再開し、午後1時45分に汝矣島(ヨイド)の国会議事堂に到着する計画だ。
安山/ホ・スン記者 raison@hani.co.kr