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回収不能に陥った全斗煥元大統領一家の追徴金1670億ウォン(約167億円)

登録:2014-07-15 20:37 修正:2014-07-16 09:43
2013年12月11日午後、ソウル江南区(カンナムグ)のKオークションで、全斗煥元大統領の未納追徴金を回収するため検察が差し押さえた美術品の競売が行われている。 キム・ポンギュ先任記者 bong9@hani.co.kr

完納計画を明らかにしてから10ヶ月が過ぎたが半分も納付できず
競売不動産の入札は毎回流れ、美術品も適正価格に至らず

 全斗煥(チョン・ドファン・83)元大統領一家が追徴金完納計画を明らかにして10か月。だが、まだ追徴金は総額の半分も納付されていない。全元大統領側から差し押さえた不動産は競売にかけ、国庫に返還しなくてはならないが、売却が容易ではないためだ。検察は入札を速めたいところだが、期待通りの価格で落札されるとは限らない。

 検察が確保した全元大統領一家の財産は、昨年9月の鑑定価格基準で総額1703億ウォンになる。未納の追徴金1672億ウォンを上回るので、完納が可能ではないかと思われた。 しかし、15日現在で回収されたのは489億3900万ウォンで、まだ1182億6100万ウォンも残っている。

 最大の障害は入札の失敗が繰り返される不動産だ。 長男の全ジェグク(55)氏が所有する京畿道(キョンギド)漣川(ヨンチョン)のハーブ・ヴィレッジは面積が5万9896平米(約1万8000坪余)にもなる。先月16日に1回目の入札が行われたが、入札希望者は一人も現れなかった。高額であるだけでなく、落札後の企業イメージが損なわれるおそれがあり、入札を躊躇わせたのではないかと業界関係者はみている。

 悩みの種となるもう一つの不動産は、長女の全ヒョソン(51)氏が保有する京畿道(キョンギド)安養市(アニャンシ)冠陽洞(クァンヤンドン)の林野と住宅だ。四回も入札が流れ、24日に五回目の入札が予定されているが、開発制限区域にあるため売却は容易ではない。検察は安養市などと協力して開発制限区域の解除を試みたが、不可能との通知を受け取った。全ジェグク氏らが所有していたソウル瑞草洞(ソチョドン)の「時空社」の社屋とその敷地も、これまでに二回入札が流れ、9月4日に三回目の入札が行われる。

 高額な不動産が予定通りに売れないため、検察は慶尚南道(キョンサンナムド)陜川郡(ハプチョングン)にある全元大統領一家の先祖の墓地を来月21日に競売にかける。当初、先祖の墓地だという理由で売却を後回しにされた土地だ。検察関係者は「土地より樹木に価値があり、適正価格で売るには緑が豊かな夏のほうがいい」と説明した。

 最も価値が高い京畿道(キョンギド)烏山市(オサンシ)陽山洞(ヤンサンドン)の土地(鑑定価格500億ウォン)は、借入金300億ウォンの抵当権が設定されているため、入札にかけることもできない。次男の全ジェヨン(50)氏は自分の会社「PLアセット」が所有するソウル西小門洞(ソソムンドン)の土地を売却し、烏山の土地の根抵当を外すと約束している。だが、西小門の土地売却も遅々として進まない。韓国資産管理公社の関係者は、「不動産景気が悪いうえマスコミの関心を集めた物件であるため、入札者が負担を感じるようだ。不動産の規模も大きく、落札は容易ではない」と話した。

 昨年、検察が明らかにした回収計画通りに売却されたのは、ソウル漢南洞(ハンナムドン)のシンウォンプラザ ビルディングとUNヴィレッジ(それぞれ180億ウォン、27億ウォン)のみだ。美術品は合計85億ウォンと予想されていたが、実際には66

億ウォンで売却された。全元大統領の親戚である「東亜ワングループ」のイ・ヒサン(69)会長は、275億ウォンを支払うと言ったが、今まで納付したのは210億ウォン。検察は全元大統領夫妻の私邸、生活費として使う年金、全ジェヨン氏が居住するマンションは、できる限り遅く売る計画だ。

 さらに、税金問題が追徴金の完納を一層難しくしている。検察は不動産売却で発生する税金が少なくとも100億ウォンになると推定している。当初の計画通りにすべて売っても、完納できなくなるのだ。検察関係者は、「足りなくなる場合に備え、アメリカにある全元大統領一家の他の財産と無記名債券の追跡を続けている」と明らかにした。

キム・ウォンチョル記者 wonchul@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/647001.html 韓国語原文入力:2014/07/15 17:18
訳J.S(1960字)

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