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[社説] 生態系破壊防ぐなら川の流れを堰止めるな

登録:2014-07-10 00:12 修正:2014-07-10 07:57

 市民団体の専門家と活動家がこのほど洛東江(ナクトンガン)と栄山江(ヨンサンガン)で確認した4大河川の現況は衝撃的だ。流速が落ちた中・上流の川底まで、悪臭のする泥が貯まっている。淀んだ水の上には藻類と一緒にオオマリコケムシという外来動物が繁殖している。河川の専門家の言葉どおり、"川は底から死んでいく"。

 毎年藻類が猛威を振るい、新しい外来動物が出没して底から腐っていく川は、正常な河川生態系が壊れていることを示している。環境部が最近作成した‘堰に挟まれた区間の生態系モニタリング報告書’も4大河川からシラヒゲカマツカなど早瀬の魚がいなくなり、外来種植物が川辺を占領する生態系のかく乱現象が広がっていることを明らかにしたことがある。その上、水質汚染と生態系の破壊現象はいっそう激しくなる可能性が高い事は深刻な問題だ。

 これらすべての問題の根源は、健全な川底を深く掘って大型の堰を設け、川を湖水にしてしまったためだ。自然の川はくねくねと流れ、水の流れが早い所で削り取り、遅い部分に貯めて早瀬と淵を形成する。流速によって広がった砂利、砂、泥にはさまざまな生物がいて、汚染物質を浄化し、洪水の時にはエネルギーを分散させる役割も果たしている。4大河川事業はこのような川を単純な水路に作り変えた。水が流れないから河口湖にしか現れなかった藻類が、川上でも発生するのだ。

 にもかかわらず洛東江水環境研究所など一部の政府機関は、生物的酸素要求量(BOD)等の項目をもって "洛東江の水質が全般的に改善された" とごまかしを言っている。監査院が昨年指摘したように、湖に変わった4大河川は化学的酸素要求量(COD)と藻類の濃度が高まっている。政府が5000億ウォンを投じて総リン処理施設を繰り上げ設置したのに、毎年藻類が増えているのは、そのような投資は水質改善に何の効果も生まないことをもの語っている。その金を元々の洛東江に投じていれば、今頃ははるかにきれいな水が流れているだろう。

 政府はダムによって閉じ込められた水を一挙に流す非常放流で藻類を洗い落とすなど、付け焼刃的な手段に頼っていてはならない。根本対策はすでに光州市(クァンジュシ)と全南道(チョンナムド)が栄山江(ヨンサンガン)で進めることにした‘再自然化’以外にはない。ひとまず堰を開いて水を流し、生態系の破壊と藻類を緩和してから、堰をどうするかを検討すべきだ。監査院が二度も監査結果を発表しただけに、客観性に疑問を抱かれている総理室の4大河川調査評価委員会の結論を待っている余裕はない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/646204.html 韓国語原文入力:2014/07/09 18:44
訳T.W(1196字)

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