沈没したセウォル号中にあって失踪したユ・ニナ(28・女)教師が事故から54日ぶりに遺体で教え子の許に帰ってきた。
汎政府事故対策本部は8日、民官軍合同救助チームが午前10時35分頃、セウォル号3階中央食堂を捜索して、救命具を着けていない女性の遺体一体を収拾したと明らかにした。 対策本部はこの女性が茶色のパーマをかけた髪にニットと綿ズボン姿、左手指に指輪をはめている点から見てユ教師と推定されるとしながらも、正確な身元確認のためにDNA検査を依頼したと付け加えた。 ユ教師は事故当時、脱出するのに最も容易だった5階客室にいたが、他の女性教師らと生徒たちを助けるために下の階に降りて行き失踪した。
セウォル号沈没当時、ユ教師が担任を務めたた2年1組は脱出が容易でなかった女子クラスであったが、10組中で救助率が最も高かった。 船体左舷客室にいたこのクラスの生徒たちは窓から水が上がるのを見て危険を一早く察知して船の外に脱出したためだ。 檀園高10クラスの平均救助生徒数は7.5人である反面、救助された1組の生徒数は19人だ。 現在1組の生徒の中ではチョ・某(17)さんだけがまだ家族の許に戻っていない。
救助された1組の生徒たちは、この間担任の先生のニュースを切なく待ち望んでいた。 檀園高の正門と教室の窓には‘ユ・ニナ先生とても会いたいです。 早く出てきてください。 多くの生徒が待っています’、‘先生! 早く子供たちの手を握ってみんなと一緒に上がってきてください’、‘敬愛する先生、会いたいので早く帰ってきてください。 (生き残った)後輩たちは私がよく見守りますから’のようなポストイットが貼られている。 ある生徒は「授業時間に戴いたお茶漬け(日本人たちが好んで食べる代表的食べ物)本当においしかったです。 また欲しいです。」と書かれていた。
生徒たちは1組の担任であり日本語を教えてくれたユ教師が普段から固い授業の雰囲気を避けるために相撲選手たちの仮面をかぶって授業をするなど、格別に努力した先生だったと記憶していた。
乗務員キム・ムニク(61)さんに続き、ユ教師の収拾の便りが伝えられると、対策本部は6月末までに失踪者全員を収拾するという目標を立てた。 まず20日まで潜水士と装備を総動員して捜索に乗り出すことにした。 捜索が完了した隔室は、水中音響探知機であるソナー、無人遠隔水中探索装備(ROV),水中カメラで精密撮影後に捜索範囲を圧縮する一方、失踪者流失防止のために磁石がついた流失遮断棒114本を追加設置することにした。
安山/キム・イルウ記者、チェ・ウリ記者 cooly@hani.co.kr