「船が傾いている、母さん、父さん 会いたい」
セウォル号惨事当日である先月16日午前10時17分、水が急激に上がる船室から地上に伝送された最後のカカオトーク メッセージが11日初めて確認された。 当時は木浦(モクポ)海洋警察の警備艇123艇が事故海域に到着(午前9時30分頃)してから47分程過ぎた時点だ。 このように海洋警察は事故初期に現場に出動していながら船内の乗客を緊急待避させたり救助するための特別な措置を取らなかったことが明らかになっている。 これに対し検察は、海洋警察に刑事責任を問うことにし、すぐに関連者召還など本格捜査に着手することにした。
検察関係者は「警備艇123艇に搭乗し現場に出動した海洋警察を見れば、割れた窓から乗客が救助を待っている状況を見ていながらも直接船内に進入したり救助活動に乗り出さなかった」として「事故現場で積極的な救助義務を果たせなかった責任を問い、業務上過失致死容疑を適用できるか検討している」と話した。
最高検察庁デジタル捜査センター(DFC)の救助動画分析結果も‘海洋警察処罰論’に力を加える傍証だ。 動画を分析した結果、123艇に搭乗した海洋警察官14人は操舵室から出た船員を救命艇に乗せた後、すでに船の外に脱出していた搭乗者を救助しただけで船内進入を試みなかった。 カーテンで作ったロープで檀園高生徒40人余りを救助したキム・ホンギョン(58)氏も最近<ハンギョレ>とのインタビューで「傾いた船体から子供たちを引き上げる過程を目撃していながら、海洋警察はただ眺めているなど積極的に救助する努力をしなかった」と証言した経緯がある。
事故初期から議論になっていた珍島海上交通管制センター(VTS)職員の職務遺棄疑惑も検察の捜査対象に上がった。 珍島管制センターは、管轄海域に進入報告をしなかったセウォル号にその理由などを尋ねる交信を全くしておらず、セウォル号の急変針の事実も全く感知できずにいた。 このために8時55分セウォル号搭乗者からの申告を受けた済州(チェジュ)管制センターから交信を引き継いだ午前9時6分まで‘ゴールデンタイム’の11分を無駄にしたという批判を受けてきた。 検察はこれと共に海洋警察と民間救難業者であるウンディーネ マリン インダストリーとの関係、清海鎮(チョンヘジン)海運の前身であるセモ職員出身イ・ヨンウク前海洋警察情報捜査局長も捜査線上にのせている。
海洋警察に対する捜査は、早ければ今週後半にも本格化するものと見られる。 この間、検察は合同捜査本部の‘捜査パートナー’でもある海洋警察を本格的に捜査し始めれば捜査と捜索に支障を与えると判断して先送りしてきた。 イ・ジュンソク(69・拘束)船長など船舶職乗務員の起訴予定日である17日以後に本格的な捜査が始まる可能性が高い。 これに先立って検察は海洋警察側の証拠隠滅などに備えて先月28日、木浦海洋警察状況室などを押収捜索し関連資料を確保した。
ノ・ヒョンウン、キム・ウォンチョル記者 goloke@hani.co.kr