本文に移動

[6・4地方選挙/ニュース分析] 強固な与党支持層…無気力な野党指導部

登録:2014-06-05 22:29 修正:2014-06-06 07:22
表面だけ見れば与野党 無勝負だが
与党、セウォル号惨事の悪材にも関わらず
広域団体長が増え政党得票を上回る
‘泣訴’戦略で保守層終盤に結集
無気力な野党、審判論を信じて狼狽
パク・ウォンスン ソウル市長当選者が5日未明、ソウル鍾路(チョンノ)5街の選挙事務所で支持者がプレゼントした靴を首にかけ、選挙運動の時に使ったリュックサックを背中に背負って支持者に向かい手を振っている。 右は夫人のカン・ナンヒ氏。 イ・ジョンウ先任記者 woo@hani.co.kr

 新政治民主連合は6・4地方選挙でソウルと江原(カンウォン)・忠清(チュンチョン)、湖南(ホナム)で9人の広域団体長を当選させた。 2010年地方選挙当時7ヶ所(仁川(インチョン)・江原・忠南(チュンナム)・忠北(チュンブク)・光州(クァンジュ)・全南(チョンナム)・全北(チョンブク))に比べて‘善戦した’という評価が出てきた。 だが‘総取り’まで期待した首都圏で、新政治連合はソウル一ケ所に留まった。 チン・ジュングォン東洋(トンヤン)大教授は5日ツイッターに「憂慮した最悪の状況も、期待した最上の結果も出てこなかった」という所感を上げた。

 しかし更に一段深く入ってみれば‘保守躍進’が見える。 セヌリ党の前身であるハンナラ党は、2010年の地方選挙で広域団体長は6人で満足しなければならなかったが、今年は8人に増えた。 2010年当時、無所属で勝利した慶南(キョンナム)と済州(チェジュ)での当選者が野党圏指向であったという点を考慮すれば、非セヌリ党広域団体長は10人から9人に減ったことになる。

 地方自治体長ではセヌリ党の躍進がさらに明確だ。 全国地方自治体長226選挙区の内、セヌリ党が117ヶ所で、新政治民主連合が80ヶ所となりセヌリ党が1位を占めた。 2010年の地方選挙ではハンナラ党(現セヌリ党)当選者が82人、民主党(現、新政治連合)当選者が92人だった。 無所属当選者は36人から29人に減った。 セヌリ党当選者数は42.6%も増えたわけだ。

 また、政党支持層の規模を計ることのできる広域比例政党得票率を見れば、セヌリ党は湖南(ホナム)と大田(テジョン)・世宗(セジョン)を除くすべての広域単位で新政治連合を上回った。 さらにパク・ウォンスン新政治連合候補が56%の票を得たソウルでも、政党得票数はセヌリ党(220万1146票、45.38%)で、新政治連合(220万901票、45.38%)の票は同等だった。 韓国社会の保守優位構図が再び確認された結果だ。 チ・ビョングン朝鮮大教授は「セウォル号惨事の余波で過度な期待をかける程に世論が動いたのは事実だが、朴槿恵(パク・クネ)大統領がどんな失策を犯しても変わりなく支持を送る35~40%の支持層を考慮しなければならない」と話した。 研究者によれば韓国の‘保守対進歩’理念分布は、盧武鉉大統領が執権した2002年以後は保守側に着実に動いてきている。 政党学界では、2002年当時‘5対5’できっ抗していた構図が、現在は‘6対4’程度の保守優勢に変化したと見ている。

 このような基盤の上で新政治連合候補らが広域団体でそれなりに善戦できたのは人物中心構図のおかげだった。 広域団体長の開票結果で、セヌリ党候補と‘非セヌリ党’候補が得た総得票数を見れば、17の広域団体選挙でセヌリ党候補が得た得票数は1072万1551票である反面、非セヌリ党候補が得た票は1125万9959票で票差は53万8408票多かった。 相対的に‘非セヌリ党候補’が人物論をベースに党次元の得票より多くの票を得たわけだ。

 選挙での投票者の心は、理念に対する有権者の主観的確信ではなく、人物・構図・政策により左右される。 シン・ジンウク中央(チュンアン)大教授は「理念的に強固な有権者層は‘35(保守)対25(進歩)’程度だ。 カギは40%の中位有権者層を誰が効果的に引いてくるかに掛かっていた」と話した。 結局、広域団体長選挙では候補中心の運動が相対的に成功したが、他の部門では全て与党の勝利に終わったわけだ。

 実際、6・4地方選挙を控えて行われた激戦地での世論調査は、セウォル号惨事とセヌリ党の‘泣訴キャンペーン’に前後して大きく揺れ動いたことが明らかになる。 セヌリ党支持層がセウォル号惨事以後、大幅に萎縮したが、泣訴キャンペーンが始まった選挙日3~4日前から急速に結集したのとは異なり、野党支持層は底力を発揮できずに停滞して逆転を許したということだ。

 新政治連合のある首都圏再選議員は「セウォル号惨事の後、党は無公薦波動に足を引っ張られ、選挙準備はもちろんイシュー対応もまともにできず、終盤には‘審判論’に寄りかかる以外には何もできなかった」と話した。 ソ・ボクキョン西江(ソガン)大研究教授は「有権者の価値と選好は変化するが、彼らの熱望と意志を一ケ所に集めなければならない政党はその場に留まっている。 変化する有権者の価値と熱望を結集させて、実質的変化を作り出すのはリーダーシップと政策、戦略のような政治家と政党の役割」と話した。 イ・セヨン記者 monad@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/641063.html 韓国語原文入力:2014/06/05 21:22
訳J.S(2253字)

関連記事