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大統領風刺ステッカーを貼ったからと警察‘潜伏捜査’まで

登録:2014-05-26 21:25 修正:2014-05-27 07:15
イ・ハ作家が製作した‘セウォル号ステッカー’を貼った写真家を立件
屋外広告物法違反を適用…作家「いっそ私を取り調べよ」
左はイ・ハ作家が製作した朴槿恵(パク・クネ)大統領風刺ステッカー。(イ・ハ作家提供)。右写真は英国アルメイダ劇場で上映されている‘キング チャールズ3世’演劇ポスター(出処はNBスタジオ)

 「恐怖政治が他にあるのですか? 気に入らなかったり反対する人々は、ひとまず捕まえて押さえつけて見るのが恐怖政治ではないですか?」

 ‘可愛い独裁者’シリーズ、白雪姫の服を着た朴槿恵(パク・クネ)大統領のポスターなど、政治風刺ポップアート作家として知られるイ・ハ(実名イ・ビョンハ・46)氏が再び論議の中心に立った。 イ氏は最近、沈没する紙の船を背景に韓服姿の朴大統領が登場する手の平大のステッカー(写真) 1万枚を製作した。 イ氏は「セウォル号事故を見つめる市民の苦しい心情を表現したかった」とステッカー作品の意図を説明した。 イ氏の作品が彼の社会関係網サービス(SNS)に公開されるや、直ちに70人余りが「ステッカー貼りを手伝う」という意を伝えてきた。

 江原道(カンウォンド)江陵(カンヌン)でフリーランサーの写真家として仕事をするハム・スウォン(34)氏もその1人だ。 ハム氏は去る21日、江陵市内にステッカー作品23枚を貼り出した。 その日の夜、ハム氏は家の前で見慣れない車両1台を発見したと話した。 車の中から自分の家を見ていた男性たちは、ハム氏と目が合うやまもなく居なくなった。 翌日、私服警官4人が自宅を訪ねてきて、ハム氏に‘任意同行’を求めた。 ハム氏は「警察に‘昨日も家の前に来ていなかったか’と尋ねたところ、そうだと答えた。 私を捕まえるために警察が潜伏までしたというので驚いた」と話した。

 警察がハム氏に適用した容疑は‘屋外広告物など管理法’違反だった。 警察はステッカーを公共施設である街灯に貼ったことを問題にして、ハム氏を不拘束立件した。 これと関連して、イ・ソンハン警察庁長官は26日記者懇談会で「国家元首と関連した事案なので、ひとまず事実関係を把握した後に違法事実が確認されて措置を取った」と言った。 警察庁関係者は「申告が寄せられたので捜査をしたに過ぎない。 現行法によれば広告物を街灯に付着することは違法」と説明した。 ただし、警察が‘潜伏’をしたというハム氏の主張に対して、江陵警察署関係者は「当事者がその家に住んでいるかを把握するためのことで、潜伏をしたわけではない」と説明した。

 参与連帯公益法センターのチョン・ミニョン弁護士は「屋外広告物管理法違反を口実にして大統領を風刺したり批判する行為、ひいては憲法的権利である表現の自由までを抑圧しようとする意図と見ることができる」と話した。 ステッカー作品を作ったイ氏も「通りに各種の広告物があふれているのに、唯一朴大統領を風刺したステッカーを(潜伏までして)取り締まるというのが話になるか。 いっそ(作家である)私を取り調べろ」と反発した。 イ氏は2012年、セヌリ党非常対策委員長だった朴大統領を白雪姫として描写した風刺ポスターを釜山市内に貼り出し、公職選挙法違反容疑で起訴されもした。 昨年、国民参加裁判でイ氏に無罪が宣告された経緯がある。

 外国の政治風刺‘水準’はどうなっているだろうか。 英国では最近チャールズ皇太子などを風刺する‘キング チャールズ3世’という演劇が上演されている。 この演劇のポスターには、王冠をかぶっている実際のチャールズ皇太子の顔が登場する。 彼の口にはテープまで貼られている。 演劇内容は更に一歩踏み出したものだ。 死んだダイアナ妃までおばけとして登場させ、チャールズ皇太子と王家を露骨に馬鹿にしているが、誰もこれを法的に問題にすることはない。

ソン・ホギュン記者 uknow@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/639141.html 韓国語原文入力:2014/05/26 20:49
訳J.S(1751字)

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