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[旅客船沈没 大惨事] MBC記者たち「セウォル号報道、みじめで恥ずかしい」声明

登録:2014-05-12 16:27 修正:2014-05-13 08:50
KBSに続きMBC記者121人「国民に謝罪します」
「‘報道惨事’を防げなかった責任、胸を打って頭を下げる」
‘怒りと悲しみを越えて’リポートを進行したMBCパク・サンフ全国部長。 MBC報道局30期以下の記者121人は、声明を出してこのリポートを‘報道惨事’と評価した。 画面キャプチャー

 韓国放送(KBS)記者に続き文化放送(MBC)記者も自社のセウォル号惨事報道を反省する声明を発表した。

 MBC報道局30期以下の記者121人は12日午前、これまでのセウォル号報道に対して国民に謝罪する内容を込めた、‘みじめで恥ずかしいです’という声明を発表した。

 記者たちは声明で、去る7日のMBCニュースデスクで報道された‘怒りと悲しみを越えて’というデスク リポートに対して強く批判した。 該当報道はセウォル号取材をリードしてきたパク・サンフ全国部長が進行した論評性格のリポートで、民間潜水士の死亡原因があたかも韓国社会のせっかちな性質のせいであるかのように言及して論議をかもした。

 記者たちは声明でこの報道を‘報道惨事’と名指しし、「(この報道は)国家の無責任で子供を失った両親を慰めるのではなく、彼らを訓戒して性急な非愛国的勢力のように追い込んだ」として「非理性的、非常識であることはもちろん、最小限の礼儀さえない報道であった」と評価した。 続けて「こういう‘惨事’を防げなかった責任は我々MBC記者にある。 胸を打って頭を下げる」と述べた。

 記者たちは自社の政府偏向的報道についても謝った。 「海洋警察の初動対処と捜索、そして災難対応システムと危機管理システムなど、政府の責任と関連した報道にあって、MBCはどの放送局より粗末だった」として「チョン・モンジュン議員の息子の‘卑劣暴言’と公職者の不適切な身の振り方など、失踪者家族に向けられた苛虐行為も唯一MBCニュースでは見られなかった。 遺族と失踪者家族を訪ねて行った朴槿恵(パク・クネ)大統領の一言一句はもれなく忠実に報道した反面、現場の状況は漏らしたり歪曲した」とした。 「結局、政府に対する批判は縮小し、権力は監視の対象でなく保護の対象になった」ということだ。 ‘政府発表書き写し’と誤報による混線に対しても謝罪した。

 記者たちは「解職と停職、業務排除のような暴圧的状況の中で、MBCニュースは手のほどこしようもない奈落に落ちている」としながら、今後「事実を神聖視するジャーナリズムの基本から再び立て直す。 災難報道の準則も用意して再びこういう‘報道惨事’が繰り返されないよう努力する」と述べた。

 声明は「MBCが言論本来の姿を取り戻せるよう、飽くことなく対抗するものであり、何よりも記者精神と良心だけは決して捨てはしないという言葉で結ばれた。

キム・ヒョシル記者 trans@hani.co.kr

12日汝矣島(ヨイド)国会議員会館で開かれた、より良い未来緊急討論会 'セウォル号惨事、何が問題なのか-朴槿恵政府の災難危機対応システムの問題点と代案' でウ・サンホ議員が討論会を進行している。 左からイ・ヨンマMBC記者、リュ・ヒイン前大統領府国家安全保障会議事務次長、ウ・サンホ、キム・キシク議員。 2014.5.12/ニュース1

*以下は声明書全文

<みじめで恥ずかしいです>

 先週MBCニュースデスクはセウォル号失踪者家族を侮辱し非難しました。 セウォル号取材を陣頭指揮してきた全国部長が直接記事を書き、報道局長が最終判断して放送されました。

 この報道は失踪者家族たちが‘海洋水産部長官と海洋警察庁長を圧迫’し‘総理に水を浴びせ’ ‘大統領府に行進’したとして、‘潜水士を死へ追い立てた性急症’ではないかと問い詰めました。

 さらにはなぜ中国人のように‘愛国的スローガン’を叫ばないのか、また、日本人のように悲しみを‘胸の内深く秘めないのか’と恨みさえしました。

 国家の無責任で子供を失った両親を慰めるどころか、彼らを訓戒し性急な非愛国的勢力のように追い込みました。

 非理性的、非常識であることはもちろん、最小限の礼儀さえ備えない報道でした。 一言で '報道惨事' でした。 そしてこういう‘惨事’を防げなかった責任は私どもMBC記者たちにあります。 胸を打って頭を下げます。

それだけではありません。

 海洋警察の初動対処と捜索、そして災難対応システムと危機管理システムなど政府の責任と関連した報道にあっても、MBCはそのどの放送局より粗末でした。 チョン・モンジュン議員の息子の‘卑劣暴言’と公職者の不適切な身の振り方など、失踪者家族に向けられた苛虐行為も唯一MBCニュースでは見られませんでした。 また、遺族と失踪者家族を訪ねて行った朴槿恵(パク・クネ)大統領の一言一句はもれなく忠実に報道した反面、現場状況は漏らしたり歪曲しました。

 結局、政府に対する批判は縮小され、権力は監視の対象ではなく保護の対象になりました。

しかもMBCは今回の惨事で報道の基本原則をまともに守ることができませんでした。

 信頼できない政府発表をそのまま‘書き写し’した結果、‘生徒全員救助’という誤報を出したかと思えば、‘救助人員7百人’ ‘艦艇239隻’ ‘最大投入’等、実際の捜索状況とはかけ離れた報道を毎度のように継続しました。 失踪者家族に更に大きな苦痛を与えたことはもちろん、国民には大きな混乱と不信を抱かせ、緊急な救助状況で混線を起こすのにも一助となってしまいました。 この点につき、犠牲者家族と国民の皆様に謝罪します。

 解職と停職、業務排除のような暴圧的状況の中で、MBCニュースは手のほどこしようもない奈落に堕ちています。 事実を神聖視するジャーナリズムの基本から再び立て直します。 災難報道の準則も用意して、再びこうした‘報道惨事’が繰り返されないよう努力します。

 MBCが言論本来の姿を取り戻せるように飽くことなく対抗するものであり、何より記者精神と良心だけは決して捨てません。

MBC記者会所属30期以下記者 121名一同

https://www.hani.co.kr/arti/society/media/636550.html 韓国語原文入力:2014/05/12 14:37
訳J.S(2642字)

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