家族の同意なしに調査した後に引き渡し
「過失を隠すために不法検閲」反発
捜査上必要ならば要請手続きを経るべき
海洋警察庁がセウォル号沈没当時、船室内にいた安山檀園高生徒たちの動きと救助状況などを撮った動画などが含まれているかもしれない犠牲生徒たちの携帯電話メモリーカードなどを遺族の同意を得ずに覗き見ていたことが確認された。 遺族たちは「海洋警察がのろま救助など自分たちの過ちを隠すために、亡くなった子供たちの携帯電話を不法に‘事前検閲’した」として強く反発している。
6日、遺族たちの話を総合すれば、海洋警察は遺体と共に引き揚げられた生徒たちの遺品を両親たちに返す前に、携帯電話のUSIMとメモリーカードなどを取り出し、保存されていた内容を調べた。 ここには沈没事故前後の写真や動画、携帯メール、メモなどが含まれている可能性がある。 犠牲になった生徒たちの携帯電話に含まれているかもしれない動画と写真は、セウォル号事故の状況を再構成し、事故原因などを把握する重要な鍵になると関心を集めている。
亡くなった檀園高キム・某(17)さんの父親は「娘の遺品を海洋警察から渡されたが、携帯電話だけ除いて渡されたので抗議したところ、後になって返された。 携帯電話を調べるとチップが入っておらず、再び抗議したところ‘捜査上必要なので分析した’としてチップを返してよこした」と主張した。 また別の遺族は「これは当局が過失を隠すための工作だ。 事故現場と救助の状況を隠そうとする意図ととしか見られない」と話した。
遺族たちの主張どおりならば、海洋警察の縮小・隠蔽疑惑に火が点かざるを得ない状況だ。 遺族たちの反発が高まるや、去る3日に京畿道(キョンギド)安山(アンサン)の花郎(ファラン)遊園地合同焼香所遺族控室を訪れた海洋警察のある関係者は「携帯電話分析は捜査に必要なため行われたに過ぎない」と釈明したが、反発する遺族と激しい言い争いになりもした。
セウォル号遺族対策委関係者は「まだ犠牲生徒の相当数の携帯電話が両親たちに返されていない。 何人かの携帯電話のUSIMとメモリーカードが除去されたという話があり、対策委で経緯を把握中」と話した。
キム・チルチュン弁護士は「セウォル号犠牲者の携帯電話は、犯罪現場ではない事故現場での遺失物だ。 したがって遺失物は遺族に当然そのまま返されなければならない。 たとえ捜査上必要だというなら、押収捜索令状を発行するか、任意提出形式等を通して内容物を見ることはできるが、このような手続きがされていないならば海洋警察が不法を犯していると見られる」と話した。
<ハンギョレ>は海洋警察側の説明を聞くために、この日公報担当者に何度も電話をしたが連絡がつかなかった。
犠牲者の遺失物処理過程について、汎政府事故対策本部と検警合同捜査本部は異なる説明をしている。 パク・スンギ汎政府事故対策本部スポークスマンは「遺失物は西海(ソヘ)地方海洋警察庁派出所にひとまず集め、これを検警合同捜査本部に引き渡すと承知している」と説明した。 だが、検警合同捜査本部関係者は「遺失物は原則的に遺族の同意を受けて捜査資料として活用しなければならない。 ところが遺族たちの感情問題もあって、動画を捜査資料として使うことはなく言論に出てきた動画などを使う。どこで遺失物を集めて遺族に返すかは分からないが、検警合同捜査本部が行うわけではない」と話した。
安山/キム・キソン、キム・イルウ記者 player009@hani.co.kr