本文に移動

朴大統領 60%台の支持率信じて‘ナム・ジェジュン救命’に乗り出す

登録:2014-04-15 22:22 修正:2014-04-16 07:14
捜査発表~謝罪まで、準備されたかのように着々
世論宥和・ナム責任論 早期鎮火に布石
国家情報院改革関連 朴大統領発言

2007年の大統領選挙から縁…信頼篤実
統合進歩党事件など‘従北勢力’交感
スパイ事件は地方選挙への影響は少ないと判断
"ナム免罪符で、国家情報院は万能権力"

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が15日、閣僚会議で「(スパイ疑惑ねつ造事件と関連して)国民に心配をかけることになり申し訳なく考える」として、対国民謝罪をした。 朴大統領が前日にソ・チョンホ国家情報院2次長の辞表を受理したのに続き謝罪までも足早に出したことは、世論をなだめると同時に‘ナム・ジェジュン国家情報院長責任論’も早期に鎮火させようとする布石が敷かれたものと見られる。

 朴大統領が積極的に‘ナム・ジェジュン救命’に乗り出した情況は、捜査結果発表から謝罪に至るまで一糸不乱に進行された過程からも窺える。 検察はこの間、不利な捜査結果は通常金曜日に発表してきたが、今回の事案は月曜日に発表し、その日の夜にはソ・チョンホ2次長が辞表を出した。 朴大統領は翌日に予定された閣僚会議の公開発言で対国民謝罪を行いながらナム・ジェジュン院長の‘免罪符’を公式化し、正確に同じ時刻にナム院長もやはり国家情報院で謝罪記者会見を行った。 先月9日、国家情報院が今回のスパイねつ造事件に対して対国民謝罪文を出し、翌日午前に朴大統領が首席秘書官会議で「問題が明らかになれば正す」とし、対国民メッセージを出した順序と一致している。 ナム院長を抱えて行こうとする朴大統領の意向がそれだけ確実だという点を見せる事例でもある。

 政治的負担にもかかわらず、朴大統領がナム院長を変わること無く信頼しているのは、いわゆる‘従北勢力’と‘安保’に対する朴大統領と彼のねばっこい交感が原因という見解が多い。 その交感下にソウル市公務員スパイ証拠ねつ造事件の他にも、朴槿恵(パク・クネ)政府スタート以後に燃え上がった統合進歩党内乱陰謀事件、統合進歩党政党解散審判請求などがなされたのだ。 「大韓民国の共産化を防ぐために死ぬ覚悟だ」というナム院長の信念がずなわち朴大統領の信念だということだ。

 これと関連して大統領府の核心関係者は「大きな誤りがあったりはしたが、国家情報院業務は外部に公開できない内部論理がある。 直ちにナム院長を交替すればその間は安保空白や国家情報院混乱などの負担が生じかねない」と説明した。 今回の事件に対する‘大統領府-国家情報院’、‘朴大統領-ナム院長’の認識を見て取れる部分だ。

 ここにナム院長と朴大統領の永い信頼関係もまともな問責がなされない要因に挙げられる。 陸軍参謀総長出身であるナム院長は、2007年セヌリ党大統領候補競選時から朴大統領の国防安保分野特別補佐官として助言をしたし、競選脱落以後にも李明博候補側の提案を振り切って一貫して朴大統領を助け軍の人脈を管理してきたという。

 ナム院長を庇護することにともなう負担が、それほど大きくないという‘政治的計算’も作用したと見られる。 60%中盤台の支持率高空行進を行っている朴大統領が、自信を持って正面突破を選択したということだ。 スパイ事件は保守有権者の支持をさらに引き出せるので、地方選挙に不利にはならないという判断も影響を及ぼした。 セヌリ党が‘選挙に不利だ’として、積極的にナム院長の解任を要求しないのもこのためだ。 セヌリ党のある親朴系議員は「(ナム院長を庇うことによる負担より)交替して人選して以後の人事聴聞会を行うことによる悪影響が更に大きい」と話した。

 専門家たちは今回の朴大統領の選択が、信念や政治的得失を離れて憲政秩序をかく乱する悪い先例を残すことだとして警告している。 ハン・サンヒ建国(コングク)大法学専門大学院教授は「検察の捜査結果で国家情報院は神聖領域、治外法権になった。 維新の時に中央情報部と変わりない万能権力になったのだ。 (ナム院長に免罪符を与えるのは)司法府の権威を侵したことであり、法治主義と権力分立など憲政体系が危険に陥った」と指摘した。

ソク・ジンファン、ハ・オヨン記者 soulfat@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/632962.html 韓国語原文入力:2014/04/15 21:45
訳J.S(1868字)

関連記事