‘ソウル市公務員スパイ証拠ねつ造事件’の核心人物であり自殺を試みたキム・某(61)氏が、8年前から脱北ブローカーとして活動し国家情報院の協力者になったという複数の証言が出てきた。
13日<ハンギョレ>取材結果を総合すれば、キム氏は8年前に脱北者関連団体と接触して、中国公安部に捕まった脱北者を救い出し、情報機関に提供する北韓物品を確保して金儲けを始めた。 2006~2007年に二度キム氏に会った北韓人権改善会のキム・ヒテ事務局長は「国家情報院が脱北現況を把握するために脱北ブローカーたちとも接触する場合がある。 キム氏は最初から国家情報院と直接仕事をしていたとは見られず、当時脱北関連団体が要求する仕事をしていた」と話した。 また別の脱北者団体のキム・某代表は「(キム氏が)私たちの世話をした人」と伝えた。
キム局長は2006年にある脱北者関連団体が用意した集いに参加してキム氏に初めて会った。 キム局長は「当時キム氏が自身を紹介して‘中国公安に捕まった脱北者を救出できる。 何でもできる。 費用は救出者一人当り800万~1000万ウォンだ’と話した」と伝えた。 この集いに参加した脱北者もキム氏を‘キム社長’、‘キム部長’と呼び、『北韓の偽ドルと偽タバコを持って来いとの(情報機関の)注文を受けたが、持って来れるか』と相談したという。 キム局長は「キム氏が周囲の人々から北韓情報は金になるということを知ったばかりに見えた」と伝えた。
キム局長は二度にわたり脱北者の救出を依頼したが、実際にはなされなかった。 キム局長は初めて会った席で中国延辺公安に捕えられた脱北者の救出を依頼すると、キム氏は中国に電話をかけて現況を把握した。 当時キム氏は「脱北者が公安部から延辺の朝鮮族自治州国家安全処にすでに身柄を移された。 このような場合には救出が難しい」と答えたという。 キム局長は2007年にも脱北者関連団体事務室を訪ね、偶然に会ったキム氏に中国延辺の図們収容所に監禁された脱北者の救出を要請したが失敗した。 該当脱北者団体は現在は既に無い。
パク・ユリ記者 nopimuli@hani.co.kr