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[単独] 国家情報院協力者キム氏、別の文書偽造試図 情況あらわる

登録:2014-03-10 20:42 修正:2014-03-11 17:32
1月に青島に渡り中国の弁護士にユ・ウソン氏の出入境記録公証方法を訊き
キム氏が2月末に製作費を要求した‘国家情報院偽造文書’である可能性
青島で名の知られた事業家であったキム氏 3~4年前に連絡断って姿を消す
同胞たち "キム氏は脱北者でなく在中同胞" … "脱北者出身" 検察主張を一蹴
‘ソウル市公務員スパイねつ造事件’に関わって検察の調査を受けた後に自殺を試図した国家情報院協力者キム・某(61)氏が10日午前、ソウル汝矣島(ヨイド)の聖母病院集中治療室から一般病室に移されている。 キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr

 去る5日に自殺を試みた国家情報院協力者キム・某(61)氏が、今年1月下旬に中国 山東省 青島市で中国の弁護士に会い、スパイの容疑を受けているユ・ウソン(34)氏の中国‐北韓出入境記録に対する中国上級機関の公証可能性有無を打診していた事実が確認された。

■また別の文書偽造試図?

 中国 青島のある中国人弁護士は9日「去る1月20~28日頃、普段から面識のあるキム氏が‘青島に来た’と連絡があり会った。 その席でキム氏がユ氏の出入境記録文書を見せて‘韓国で検察側から請け負った’と言いながら‘どのようにすれば中国の上級機関で確認を受けられるか’と訊いた。 ‘韓国の裁判所に証拠として出すには、この文書に対する中国上級機関の正式確認が必要だ。 どのようにすれば良いか’と尋ねた」と話した。 この弁護士は「‘文書に対する公証を受けるには上級機関の公式手続きに従わなければならない。 他に方法はない’と諮問した」と付け加えた。

 当時この席に同席したある中国同胞は 「3~4年前に青島から突然姿をくらましたキム氏が昨年末に一回電話があり、以後に青島にいきなり現れてユ氏の出入境記録文書に関しあれこれ尋ねた」として「キム氏がその時、書類を持ってきたがそれが(厚さが)およそ1㎝ぐらいあった。 複写本なのか何か印鑑もあったようだ。 当時自身が会おうと言っておきながら、先に慌ただしく席を外すなど、何故かいらだっていて心の余裕がなさそうに見えた」と伝えた。

 このようなキム氏の行跡は国家情報院側がまた別の文書偽造を試みた情況を示している。

 キム氏は昨年12月中旬に韓国で国家情報院職員の要請を受けて中国に渡り、中国三合辺境検査廠(税関)の公文書(答弁書)を偽造したことが分かった。 この偽造された文書に対して瀋陽駐在総領事館のイ・インチョル領事(国家情報院所属)が12月17日、自身が翻訳したという内容の領事認証をした。 検察は国家情報院がこれを渡されて12月20日に裁判所に提出した。 だが、イ・インチョル領事の領事認証は、文書の真偽を確認するものではなく、単に翻訳したという事実だけを確認するものだ。

 国家情報院は去る7日に報道資料を出し "三合辺境検査廠の答弁書入手費用はキム氏にすでに支払ったし、(キム氏の)遺書に出てきた‘偽物書類製作費1000万ウォン’と関連した文書は答弁書とは全く別のもので、キム氏が去る2月末に入国時に提示した" と明らかにしている。 国家情報院の説明が事実なら、キム氏が昨年12月の三合辺境検査廠の文書に続き、去る1月にもユ氏の出入境記録と関連した資料をねつ造した後に中国機関の公証を受けて韓国の法廷に出すため活発に動いたと推定できる。 国家情報院はキム氏が2月末に持って来た書類について「真偽を判断するために要求金額を支給せずに猶予したことがある」と話し、キム氏がまた別の偽造文書を持って来たということを事実上認めた。

■中国でのキム氏の行跡

 キム氏は1月に青島に再び姿を現わす前まで、3~4年ほど青島から姿をくらましていたと言う。 青島朝鮮族企業協会関係者は「キム氏は地域20万人の朝鮮族社会で良く知られた人物で、6~7年前には青島朝鮮族企業協会青陽(チョンヤン)支会顧問を引き受けて活発に活動していた。 世界韓商大会に参加もした」と話した。 キム氏は青島空港付近で長男と共に‘Sカーセンター’を営み、青島に進出した韓国企業体の車両修理などを請負い金を貯め、以後には韓国企業の青島投資を斡旋しもした。 朝鮮族協会関係者は 「キム氏はとても闊達な人物で、地域の民族事業に情熱的だった。 2002年頃には1万中国元(170万ウォン)を拠出し青島市青陽区朝鮮族運動大会を組織したりもしたし、地域朝鮮族バレーボール協会を作りもした」として「ところが彼が3~4年前からは突然連絡を断って姿を消し、周辺の人々が皆いぶかしく思っていた」と話した。 彼は「キム氏が姿を消す前に自身が投資を斡旋した韓国人衣類企業と紛争が起き、2年以上にわたり裁判が続き、とても困っていた」と伝えた。

 キム氏をよく知っている地域の在中同胞は、彼が脱北者である筈はないと口をそろえた。 検察は彼を脱北者出身の中国人だと明らかにしたことがある。 ある在中同胞は「キム氏を知ってから10年以上になるが、彼が脱北したとか北韓に関する話をするのを聞いたことは全くない」と話した。 彼は「キム氏は自身が‘かつて吉林(ジーリン)省の小学校で校長まで務めた’と何回も話した。 中国では脱北者出身は絶対に教員に成ることは出来ない。 彼が脱北者である可能性はない」と話した。 Sカーセンターを経営しているキム氏の長男は、<ハンギョレ>との電話通話で「何も言うことは無い。二度と連絡するな」と言って電話を切った。

 青島の同胞社会はキム氏自殺試図事件が知らされた後、動揺している雰囲気だ。 ある同胞は「キム氏が地域では良く知られた人物なので、意外であり衝撃的という声が多い」と伝えた。 別の同胞は「朝鮮族企業協会関係者たちは良くない事件で余波が及ぶかと思い、今回の事案と関連して外部に言うことを避けている」と伝えた。

青島/ソン・ヨンチョル特派員、キム・ウォンチョル記者 sychee@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/627530.html 韓国語原文入力:2014/03/10 14:14
訳J.S(2608字)

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