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「血で書いた‘国情院’の文字は消せても、証拠ねつ造の真実は消せない」

登録:2014-03-07 21:11 修正:2014-09-05 16:52
野党、特検 要求
国家情報院長・法務部長官の解任も要求
セヌリ党 "本質はスパイ事件"

 民主党など野党はいわゆる‘ソウル市公務員スパイ事件’の国家情報院協力者キム・某氏が自殺を試みて残した遺書を通じて、国家情報院の中国公文書偽造が明確になり、今回の事件の真相を明らかにする特検捜査と国家情報院長・法務部長官の解任を要求した。

 チョン・ビョンホン民主党院内代表は7日、党最高委員会議で 「キム・某氏がホテルの壁面に血で書いた‘国情院’という文字は消せても、国家情報院証拠ねつ造の真実までは消せない。 特検だけが検察の重荷を減らし、国民の胸中に深く刻まれた疑惑を消すことができる」と明らかにした。

 シン・ギョンミン最高委員ら属する‘民主党国家情報院大統領選挙介入無罪阻止特別委員会’、国会法制司法委員会・情報委員会所属の民主党議員全員は声明書を出し 「朴槿恵(パク・クネ)大統領はナム・ジェジュン国家情報院長を直ちに解任し、国家情報院のスパイねつ造・公文書偽造事態に対して沈黙を破り立場を明らかにしなければならない。 また、検察は公文書偽造事態捜査に関して関連者の逮捕、国家情報院・(中国瀋陽駐在)領事館などの押収捜索を含む強制捜査を直ちに実施せよ」と要求した。 民主党議員らは今回の事態の種々の疑問を解くための国会法司委・情報委の早急な開催もセヌリ党に提案した。 統合進歩党と正義党はスパイねつ造疑惑事件に検察も関わった点を上げて、ファン・ギョアン法務部長官の解任も要求した。

 野党圏では国家機関大統領選挙介入真相糾明のための特検要求を与党が無視し、国会国家情報院改革特別委員会の成果も生ぬるい状況で、今回の事件が国家情報院改革の新たな動力になると期待している。

 セヌリ党は‘本質はスパイ事件’としつつも、波紋の拡大を憂慮する雰囲気だ。 パク・テチュル セヌリ党スポークスマンは「キム氏の遺書内容を見れば‘スパイであることが明らかだ’と言うなど種々の疑惑が提起されている。 スパイ疑惑はスパイ疑惑なりに、証拠ねつ造疑惑は証拠ねつ造疑惑なりに区分して厳重に捜査しなければならない」と話した。 彼は「事件の本質を毀損しようとする試みは不純な政治攻勢として映るだろう」として野党圏の態度も批判した。

ソン・ホジン、キム・ナムイル記者

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/627315.html 韓国語原文入力:2014/03/07 20:00
訳J.S(1100字)

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‘国情院’血文字 急いで消された…‘上層部ライン’の指示はあったか

‘脱北華僑出身ソウル市公務員スパイねつ造事件’に関わって検察調査を受けた後に自殺を試みた国家情報院協力者キム・某(61)氏が入院中のソウル汝矣島(ヨイド)の聖母病院集中治療室前に7日午後、取材陣が集まっている。 キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr

警察、事件現場隠蔽疑惑
‘接近禁止’ラインも設置せず
4時間余後にはきれいに清掃
写真も "ない" → "ある" 言葉変え
警察 "スパイ事件関連とは分からなかった"
民弁 "明白な証拠隠滅" 指摘

 ‘脱北華僑出身ソウル市公務員スパイねつ造事件’の核心人物である国家情報院協力者キム・某(61)氏が自殺を試みた現場が、事件発生後5時間で急いで片づけられたことを巡って疑惑が鎮火しない。 自殺・他殺の別も糾明されていない状況で、捜査機関が事件現場を保存せずに毀損されるように放置した背景に関心が集中している。

 7日<ハンギョレ>取材結果を総合すれば、キム氏が去る5日に自殺を試みたソウル永登浦区(ヨンドンポク)のRホテルの部屋は、事件発生後4時間45分余の間に清掃された。 警察がこの日午後6時14分に現場に初めて到着した時、倒れていたキム氏の脇の壁面に血で書かれた‘国情院’と‘国操院’(国家操作(ねつ造の意)院)という文字が発見された。 床と壁面には相当量の血痕もあった。 この痕跡はこの日午後9時40分、永登浦警察署科学捜査チームなどが検察の連絡を受けて現場を確認した時もそのまま残っていた。

 現場がきれいに清掃されたのは、キム氏が発見されて4時間40分後、科学捜査チームが現場に到着してから1時間20分後の夜11時頃であった。 通常、警察が証拠を収集し調査のために一定期間一般人の出入りを統制し現場を保存するが今回は違った。 ホテル関係者は「警察が清掃をしてもかまわないと言ったので部屋を片づけた」と話した。

 警察は‘犯罪捜査規則’により事件現場状況を保存しなければならない義務がある。 今回の事件の場合も殺人未遂など他殺の疑いはないかも調査しなければならないので、現場保存は必須だ。 更に自殺試図が明確だったとしても、自殺原因を把握する上で現場はそれ自体が重要な糸口になる。 キム氏の‘国情院’血文字は、国家情報院が加えた圧迫を表現しようとする意図だった可能性が高い。 しかし警察は、スパイ事件の証拠ねつ造の核心人物であるキム氏の自殺試図現場に‘接近禁止’ラインも設置せず、事実上放置し、ホテル側が急いで整理するまで放置した。

 警察が当初から組織的に現場状況を隠そうとした情況もあらわれている。 永登浦警察署は去る6日 「事件現場を写真に撮っていない」と明らかにして、翌日になって言葉を変えた。‘国情院’血文字などが存在したということを隠そうとしたのではないかという疑問が出る所以だ。

 これに対して警察は「キム氏が公務員スパイ事件と関連して検察の調査を受けた人物とは分からなかった」と説明した。 永登浦警察署関係者は「キム氏について検察から特別な情報を得ることが出来ない状況だった。 ホテルの部屋のトイレに汚物が汚らしく散在していたし、血文字が部屋に書かれており、精神異常者による単純自殺企図事件と見た」と話した。

 民主社会のための弁護士会のヤン・スンボン弁護士は「凶悪事件での現場保存は捜査の基本だ。 自殺企図か否かも明らかになっていないのに、現場で血で書かれた文字も発見されたのに警察が保存せずに整理したことは証拠隠滅であり背後勢力の存在を疑わざるをえない」と指摘した。

キム・ギョンウク記者 dash@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/627314.html 韓国語原文入力:2014/03/07 20:01
訳J.S(1640字)

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