バラク・オバマ米国大統領が‘長考’の末に4月末のアジア歴訪日程に韓国と日本を共に含めた。 これは韓-日間の過去事葛藤が深刻な状況で避けがたい選択と見える。
オバマ大統領が当初計画どおり日本だけを訪問する場合、最近極端な右傾化の歩みを見せている日本を米国が支持しているように映る恐れがあった。 特に日本では、昨年末に安倍晋三総理が靖国神社を訪問したのに続き、先月の籾井勝人 NHK新任会長が "慰安婦はどこの国にもあった" と話すなど、退行的な過去事発言が相次いだ。
そのため米国内でも4月に日本だけを訪問する場合、外交的失策になるという声が出てきた。 リチャード・アーミテージ前米国国務部副長官とビクター・チャ戦略国際問題研究所韓国碩座、マイケル・グリーン日本碩座は先月末<ワシントンポスト>に掲載された共同寄稿文で "韓国を除いた歴訪は(日本に)誤った信号を与えるだろう" と警告した経緯がある。
また、習近平 中国国家主席の年内訪韓の可能性があると見られる状況で、中国を意識した側面もあるものと観測される。 韓-米-日 三角安保協力体制の強化による対中国牽制という米国の核心東北アジア政策に亀裂が生じかねないという点を意識したのだ。
日本側は今回の決定に対して大いに当惑しているものと見られる。 安倍晋三政府は昨年からオバマ大統領の国賓訪問を強力に要請してきた。 特に岸田文雄 外相は去る7日、ワシントンでジョン・ケリー米国国務長官と会談を終えた後の共同会見で、公開的に 「オバマ大統領の国賓訪問を希望する」と明らかにした。 日本の国賓訪問は、天皇行事と地方訪問などが含まれなければならず、2泊3日でもギリギリだ。 しかし韓国が含まれたことにより日本の伝統的な国賓訪問行事は事実上難しくなったということが外交家たちの観測だ。
韓国もこの間‘オバマ誘致’に注力してきた。 年末年始にユン・ビョンセ外交長官、キム・ギュヒョン次官(現 国家安保室1次長)等の韓国側高位要人とジョー・バイデン副大統領、ウィリアム・バンズ国務部副長官、ダニエル・ラッセル東アジア太平洋次官補など米国側高位要人が互いに往来する機会に米国を積極的に説得したと言う。
しかし‘オバマ誘致’の成功は、得より損が多いこともありうるという指摘も出ている。 総力を挙げた韓-日外交折衝戦で、米国が韓国の手をあげただけに、韓国も何か‘恩返し’をしなければならないためだ。 しかし外交部当局者は 「当初から堂々と対処したので、そんなことはないだろう」と話した。 オバマ大統領が今回韓国を訪問すれば、執権5年余りの間ですでに4回となる。 オバマ大統領は執権1期の時に日本をただ一度だけ訪問した。
米国側はオバマ大統領の歴訪を契機に韓国と日本の‘対話’を本格圧迫するものと見られる。 韓-日両国はオバマ大統領からどんなメッセージを引き出すかを巡り、再び激しい外交折衝戦を行うものと予想される。 オバマ大統領は訪韓時には主に韓-米共助強化方案などを、日本とは環太平洋経済パートナー協定(TPP)と集団自衛権行使問題を主に協議するだろうという観測が出ている。
パク・ビョンス先任記者、ワシントン/パク・ヒョン特派員 suh@hani.co.kr