全南(チョンナム)麗水(ヨス)国家産業団地原油埠頭油流出事故で、養殖場が壊れるなど住民たちがこうむった被害補償を巡って、事故発生6日目の5日にも政府や関連業者らが明確な対策を出さず住民たちが鬱憤を爆発させている。
政府は埠頭の送油管を管理する精油業者であるGSカルテックスが被害漁民に先に補償する方案を検討しているが、GSカルテックス側は自分たちも被害者だとして先補償方案に曖昧な反応を見せた。
ユン・ジンスク海洋水産部長官はこの日、国会で開かれたセヌリ党との党政協議会で「被害漁民に対する先補償をGSカルテックス側と議論している」と話した。 彼女は与党議員が‘業者であれ政府であれ、被害漁民の生計対策を立てなさい’と要求すると、このように答えた。
ユン長官は 「1次被害者はGSカルテックスであり、2次被害者は漁民」としながら、漁民被害を後まわしにする発言をした。 彼女は迅速な補償を促す議員に向かって「私たちがやっていますから」と答え、叱責を受けもした。
海洋水産部は油類汚染損害賠償保障法や国際油類汚染補償(IOPC)基金を通じた補償を検討したが‘油が流出した地点が海上運送中のタンカーではなく、事故で破損した送油管であるため適用が難しい’と見て、‘GSカルテックスが先に補償し、後にタンカーの船会社に求償権行使’する方針を定めた。 事故を起こしたシンガポール船籍のWU YI SAN号(278,585トン)は10億ドルの船主相互保険(P&I)に加入していることが確認された。
GSカルテックス側は「私たちも被害者ではあるが、住民たちと積極的に協議する」という態度を見せた。 GSカルテックス関係者は「現時点では(補償について)何も決まっていない」と話した。 (漁民に)先に補償して、訴訟結果によっては支給金を全て返済を受けられない場合も考慮していると言う。
近海アサリ・海苔養殖場に原油が迫り、被害を被った麗水市シンドク村の住民キム・ソンオク(68)氏は「保険会社から補償が出てくるまで何年も待てと言うのか」と語気を強めた。
住民代表とGSカルテックス代表などは6日午後、麗水海運港湾庁で‘麗水沿岸油流出事故被害対策協議会’初会合を開く予定だ。
1995年麗水のシープリンス号事故時は、被害補償が妥結するまでに2年かかったし、2007年忠南(チュンナム)泰安(テアン)のホベイスピリット号事故では補償を巡る訴訟12万件余りが7年が過ぎた今も続いているほどに、国内油流出事故の補償はのろい。
光州/アン・クァノク記者、ソンチェ・ギョンファ記者 okahn@hani.co.kr