先月18日、忠清南道公州(コンジュ)のある郵便局で、非正規職郵便配達員 オ・某(31)氏が宅配業務中に突然胸の痛みを訴えて倒れた。すぐに病院に運ばれたが結局死亡した。死因は心筋梗塞だった。 6日後の24日、京畿道龍仁(ヨンイン)市では、配達業務中のオートバイ事故で脳死状態に陥っていた正規職郵便配達員 キム・某(46)氏が息を引き取った。 27日には、立ちくらみで倒れた忠清南道唐津(タンジン)のある郵便局の窓口職員イ・某(54・女)氏が亡くなった。一ヶ月に郵政本部所属の労働者3人が相次いで死亡したのだ。
全国郵政労働組合(郵政労組)と<集配人の長時間・重労働をなくす運動本部>(運動本部)はこれら労働者の死亡原因として、長時間労働から来る過労を指摘した。 オ氏は新たに発令された郵便局で業務量が増えて疲労に悩んでいたし、キム氏もまた事故発生の前日に夜10時過ぎまで仕事をするなど、日常的に過労状態にあったと労働者たちは主張している。
<社会進歩連帯>付設の労働者研究所が2日に公開した「集配労働者の労働災害や職業病の実態と健康権の確保策に関する報告書」はこのような主張を裏付ける。 報告書は去る3~4月の1ヵ月間、正規職と非正規職の郵便配達労働者246人の労働実態を標本調査した内容を盛り込んでいる。 調査の結果、郵便配達労働者は他の労働者に比べてはるかに長時間勤務をしながらも賃金は逆に少ない。 業務中に負傷する被災率も労働者の平均を上回っている。
正規職郵便配達員の年平均労働時間は3364.8時間に達し、正規職労働者全体の平均労働時間(2013年3月基準2226.5時間)より1138.3時間長かった。非正規職集配員の年間労働時間も正規職の郵便配達員と同じく3364.8時間だったが、これは非正規労働者全体の2127.4時間より1237.4時間も長い。正規・非正規の集配員がともに労働者全体の平均より年間1000時間以上長く働いているわけだ。物量が集中するお盆・正月などには一日の労働時間は15.3時間に及んだ。
一方、賃金は逆に少なかった。年平均賃金を年平均労働時間で割った単位時間当たり平均賃金は、正規職郵便配達員の場合は9543.5ウォン、非正規職集配員の場合は6144.7ウォンだった。これは正規職全体の62%、非正規職全体の78%水準だ。(表参照)
このような長時間・低賃金の労働環境は、集配員労働者たちの健康を蝕む結果を生んだ。調査の結果、筋骨格系疾患の症状を訴える集配員が74.6%に達した。10人中7人以上が症状を持っているという話だ。すぐに医学的な治療が必要な疾患が疑われる者も43.3%に及んだ。
業務終了後の脱力経験を数値化した脱力点数も48.2%に達した。郵便配達員の約半数が仕事を終えて脱力現象を感じたということだ。 これは2011年のソウルデジタル産業団地労働者を対象に調査した時の43.5%より高い数値だ。報告書は「1日平均の配達物量である2000通を実際の配達時間の6時間で割ると、11秒に1通ずつ配達しなければならない。郵便配達労働者が脱力に苦しめられるのは当然だ」と指摘した。
全国民主労働組合総連盟(民主労総)のチェ・ミョンソン労働安全局長は「配達員たちに最も多く見られる筋骨格系疾患の主要原因は、長時間労働だ。人員の増員と業務量調節を通して、休憩時間を確保するなどの努力が必要だ」と述べた。
イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr