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[社会 ズーム・イン] サイバー要員“ワーキングママ コスプレ”に約7万人が騙された

登録:2013-11-28 23:46 修正:2013-11-29 00:20
パワーツイッタリアンとして影響力大
政府政策広報など大統領選局面で活躍
軍の中立性を言いながら完璧な偽装も
サイバー同僚のミリロガー・光武帝と
SNSで文のやり取りしながら業務遂行
偽装がばれた後、ネットで顔を公開され

 「マスコミに報道されればそれが事実かどうかも問わずに、まるでそれだけが事実であるかのように信じてしまう現実がいらだたしい朝です。前後の事情を考えて、前後の話を聞いてみれば変わってくるのが人の心なのに…。」

フォロアーが7万7000人に達する国軍サイバー司令部(サイバー司)所属のイ・某中佐の最後のツイッター文だ。<ハンギョレ>が軍サイバー司要員らの書き込み、ツイッター、大統領選介入疑惑を報道してから10日後の10月24日だった。2日前の10月22日、「ひょっとしてあなたの職業はサイバー司令部要員ですか?」(roughness)という反応に対する返事の性格をもつものだったが、<ハンギョレ>の報道は事実ではないという抗弁だった。

イ中佐が軍のサイバー司所属要員であることを否定するようなこの文を掲載するや、直ちに鋭い書き込みが掲載された。 「それで、サイバー司令部なんですか。違うんですか。どっちなんですか。」 「私もそれが気になる。前後の事情を知りたいです」などの内容だった。 “パワーツイッターリアン”の彼女にとってこんな侮辱は初めてだった。2児の母親であるイ中佐は、その時までツイッター空間で“定時退勤”“今日は遅刻”などとともに “センスのいい社長”とか“事務室のお姉さん”などのIDで平凡な会社員コスプレを成功的に遂行していた。自分を「息子一人娘一人を持って懸命に働くワーキングママ」と紹介していた。出勤時の大変さを伝えたり、ユーモア、趣味などの文を書いたり、リツイットしたりした。同時に、北韓、独島、済州(チェジュ)海軍基地、日本などのテーマを扱って、政府と与党の政策を広報し、李明博(イ・ミョンバク)当時大統領や朴槿恵(パク・クネ)候補などを支持する内容の文を一貫して上げた。 野党を貶める文が注目されて、サイバー論客としても注目された。昨年の大統領選局面では、彼女の一言が保守インターネット媒体でSNS動向として言及されるほどに注目を集めた。 ちょっと見ただけでは、心理戦を展開するアカウントのようには見えなかった。国家情報院の職員たちがツイッターや掲示板に載せる方式と似ていた。

イ中佐は「軍人は政治的中立を守ることになっているから、大統領選挙に介入してはいけないでしょう」という文を自ら掲載してもいた。 大統領選挙を1ヵ月後に控え、軍の人権センターに「軍の不正選挙申告センター」が開設された日だった。この文がそれまで熱心に遂行してきた“作戦”を隠すためのものだったとすれば、彼女は明らかに“偽装の達人”だった。 訪問者の視線で見れば、イ中佐の文は客観性を失っていないという信頼を与えるに十分だった。 イ中佐が載せた済州海軍基地を支持する文など、国防政策を含めた政府政策擁護や金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官、金炳琯(キム・ビョングァン)長官候補者応援の文には多くの支持書き込みが寄せられた。パワーツイッターリアンらしく、彼女は野党を誹謗しながらも相対的に穏健な方だった。もちろん、林秀卿(イム・スギョン)民主党議員に対しては「あんたはそれでも大韓民国の国会議員か? そんな人は今すぐ国会議員職を辞任させるべきだ」と書くなど、野党議員の非難に熱を上げる場合もあった。

イ中佐は軍のサイバー司が創設される以前から、心理戦専門家として活躍していた。サイバー司以前に彼女が所属した部隊がどこだったかははっきりしない。2008年に米国産牛肉輸入反対のロウソク集会に反対する文を掲載したことや、2009年当時李相熹(イ・サンヒ)国防部長官を擁護する文を書いた跡形から見て、サイバー司令部要員として活躍する以前にも心理戦部門で活発に活動していたものと推定される。方式はサイバー心理戦要員の典型的な姿だった。ネイバーブログ、ティーストーリ ブログなど複数のアカウントを同時に活用して軍隊、社会等のイシューを生成して、自分のアカウントであちこちに転載する方式だ。 2011年に入ってからはサイバー同僚であり上級者である“ミリロガー”(@zlrun777)、“光武帝”(@coogi1113)らとともにSNSで文をやり取りする方法でサイバー上で△軍統帥権者補弼△国防政策および政府の政策広報・誹謗度緩和などの業務を遂行した。

特に、イ中佐は昨年8月30日未明、3時7分と19分に李明博大統領の業績を広報する「お兄さんはMBスタイル」の動画を掲載した。国家情報院職員が上層部の指示で流したという例の動画である。 翌日午後7時48分、3万人余のフォロアーを擁するサイバー司要員J氏が“ミリロガー”(@zlrun777)という名前でこの動画を自分のネイバーブログに掲載した。 彼が上げたこの動画は、同じ時刻に国内ソーシャルネットワークサービスである“me2day”を通じて速やかに広がった。40分ほどしてから、また別のサイバー司要員K氏が“光武帝”(@coogi1113)という名の本人のツイッターに同じ動画を掲載した。

イ中佐がこうした文と動画を掲載した空間がサイバー司の事務室なのか、家やカフェ等なのかは定かでない。明らかなことは現役軍人の身分で政治介入的性格の文を載せること自体が現行法違反であるという点だ。政治分野のパワーブロガーとされる“アイ・アム・ピーター”は去る1日、自分のブログに “31歳の陸軍中士(訳注:旧日本軍の軍曹に相当)” “おばさんでワーキングママで単に軍人が好き”と主張していたイ中佐は、国家機関がサイバー空間でどのように巧妙に政治に介入したかを見せてくれる生き証人のような人物だ」と批判し、イ氏の顔を公開しもした。

イ中佐は被疑者身分で国防部調査本部の調査を受けた。相変わらずサイバー司所属で勤務しているが、彼女が熱心に活動していたツイッター、ブログのアカウントはまだ休眠状態だ。 ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/612029.html 韓国語原文入力:2013/11/21 23:05
訳A.K(2663字)

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