チェ・ドンウク(54)前検察総長の婚外子疑惑に関連して個人情報が不法流出する過程に国家情報院が介入したと疑うに足る情況が続々とあらわれている。
‘国家情報院背後説’が事実であることが明らかになれば、いわゆる‘チェ・ドンウク追い出し’シナリオの実体が明らかになり、朴槿恵(パク・クネ)政府下で進行された国家情報院の‘工作政治’が暴露される計算なので、大きな波紋が生じる展望だ。
これまで検察による捜査を通じて個人情報の流出に関与したことが明らかになったソウル瑞草(ソチョ)区庁関連者は、ウォン・セフン(62)前国家情報院長の‘人脈’という共通点を持っている。 チョ・某行政支援局長はウォン前院長の最側近要人であり、ウォン前院長に従って国家情報院に派遣され勤めていた事実も確認され‘国家情報院コネクション’疑惑が一層深まった。 彼はチェ前総長の婚外子という疑いをかけられているチェ・某君の住民登録番号を誰かから聞き、民願書類の発行を総括する‘OK民願センター’キム・某チーム長に照会させた。 チン・イクチョル瑞草区庁長もやはりウォン前院長と親密な縁が厚いことで知られており、検察の押収捜索を受けたイム・某監査担当官は‘チン区庁長ライン’で通じているというのが区庁関係者たちの説明だ。
検察はチョ局長が誰かからチェ君の住民登録番号を聞き、無断で家族関係登録簿を照会し個人情報を流出させたと把握している。
特にチョ局長にはチェ君の個人情報を閲覧する個人的動機が全くないだけに、国家情報院など他の国家機関との関連性に注目している。 検察はチェ君の個人情報を閲覧した時期前後のチョ局長の携帯電話通話記録を集中的に調べている。 検察は押収物と携帯電話の内訳分析を終え次第、チョ局長を呼び調査した後に拘束令状を請求する方針だと知らされた。
チョ局長がチェ君の個人情報を無断閲覧した時点が去る6月中旬だという点も国家情報院の介入疑惑を増幅させている。 国家情報院の大統領選挙世論操作および政治介入事件と関連して、チェ前総長は去る5月末から10余日間法務部と摩擦を醸し出し、結局ウォン・セフン前院長に公職選挙法違反疑惑を適用し検察は6月14日に捜査結果を発表した。 検察は捜査過程で押収捜索と資料協力問題を巡って国家情報院と頻繁な衝突を起こした。 こういう状況から見る時、国家情報院がにらまれたチェ前検察総長の私生活をこっそりと漁ったのではないかという推測が出てくる。
また、検察は去る9月6日<朝鮮日報>がチェ前総長の婚外子疑惑を報道した翌日、大統領府関係者が瑞草区庁を訪ねてきて、家族関係登録簿の確認を要請したというOK民願センター キム チーム長の陳述を確保して、その経緯を把握中だ。 検察は政府機関がチェ君らの個人情報を入手した事実が明らかになれば、それが合法的手続きを経たのか、該当情報がどんな用途に活用されたのかなども糾明する予定だ。
家族関係登録法は、登録簿の情報を利用または活用しようとする人は関係中央行政機関長の審査を経て大法院傘下の法院行政処長の承認を受けるよう規定している。 瑞草区庁はこういう手順を踏まずに無断で閲覧・照会した。 最高裁関係者は「該当時期に国家機関でチェ君などの家族関係登録簿の閲覧承認または協議を要請した事実はない」と話した。
キム・ジョンピル記者 fermata@hani.co.kr