<朝鮮日報>が提起した‘婚外子疑惑’報道と朴槿恵(パク・クネ)政府の辞退圧迫で30日に退任式を行ったチェ・ドンウク(54・司法研修院14期)検察総長が 「最高の家長ではなかったが、恥ずかしくない夫として、そして父親として生きてきたし、今後もそうだろう」と明らかにした。 <朝鮮日報>の報道とそれを口実に辞退を圧迫した朴槿恵政府を迂回的に批判したものと見られる。
チェ総長はこの日午前、ソウル瑞草洞(ソチョドン)の最高検察庁別館4階で開かれた退任式で 「重い検察総長職を肩から下ろして愛する家族に感謝の気持ちを伝えたい」としてこのように明らかにした。
チェ総長の夫人と娘もこの日の退任式に出席した。 チェ総長は 「39年前に高校同期として会って誰よりも最も大きな力になってくれた妻、天国でも変わりなく父親を応援してくれている上の娘、仕事に疲れる度に希望と勇気を取り戻させてくれた下の娘、本当にありがとう」と話した。
チェ総長の退任は去る4月4日第39代検察総長職に上がって180日目であり、去る13日法務部の真相究明着手発表直後に辞意を表明した時から17日ぶりだ。
彼は検察の独立性と関連して「検察の政治的中立と捜査の公正性を守ることは準司法機関である検察が必ず実践しなければならない核心価値であり、国民信頼の出発点でもある」 として 「弱者にはより一層配慮して謙虚になりながらも、強者には泰山のように堂々とした姿を見せなければならない」と後輩検事たちに注文した。 彼は続けて「そのためには職務を遂行するなかでいつでも相手の立場で考えることを生活化して、いかなる困難があっても法と正義を正すという不屈の意志を持って自己献身的勇気を発揮しなければならない」として「そうする時、はじめて国民が検察を信じて拍手を送って下さるだろう」と強調した。
彼は 「明らかになった通りに事実を明らかにし、ありのままに法律を適用するという姿勢で一貫することだけが検察の生きる道であり、それが検察改革の始まりであり終わりだと信じた」として「何が正しい決定なのか、夜を明かして悩んだりもしたし、いかなる困難の中でも正義に向けた初心を失うまいと努めてきた」と回想した。
オンラインニュースチーム
以下はチェ総長の退任辞全文だ。
(前略)
愛する検察家族の皆さん!
去る4月、私はこの席で忠武公の悲壮な心境に言及したし、検察総長の重大な責任を下ろすこの瞬間、公の最後の姿を思い浮かべています。
検事チェ・ドンウクはたとえ皆さんのそばを離れても、私たちの夢が消えるのではなく、検察の勇気、検察家族の団結と誇りは変わることなく持続すると信じます。
真理には必ず従う者があり、正義には必ず勝つ日があります。
皆さんが知恵を集めて力を合わせて毅然と進めば、必ず‘国民が願う検察’として屹立できるでしょう。
検察家族の皆さん!
検察総長チェ・ドンウクはここで挨拶を告げるが、これからは人間チェ・ドンウクとして皆さんと永遠に共にいます。
新しい検察を夢見て皆さんと共に歩いてきた時間を熱い胸の記憶として大切に保管します。
私は愛する検察家族の皆さんの絶え間ない精進を期待して、いつでもどこでも皆さんの健康と幸福、そして成功を心よりお祈りします。
‘落葉帰根’落葉は根に帰る。 落葉は散っても落葉自体がなくなるわけではありません。
尊敬する国民の皆様、愛する検察家の族皆さん、これまで本当にありがとうございました。
2013年9月30日 検察総長 蔡東旭
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朴大統領 "監察受けずに検察動揺" …全部チェ・ドンウクのせい
大統領府、チェ検察総長辞表受理
"組織マヒ憂慮 法務部建議を受け入れ"
チェ総長、今日午前 最高検察庁で退任式
早ければ11月に後任者任命可能なもよう
キル・テギ最高検察庁次長 当分 職務代行
朴槿恵(パク・クネ)大統領がチェ・ドンウク(54)検察総長の辞表を半月ぶりに受理しながら‘チェ総長が監察に応じず検察組織が動揺している’といういいわけをした。 チェ総長の婚外子疑惑に対して法務部が監察に乗り出しながら、チェ総長が辞退して検察組織が動揺したというのに、事態の前後関係を無視して‘全部チェ総長のせい’という態度だ。
朴大統領は28日、チェ総長の辞表を受理した背景について「チェ総長が全く(法務部の監察)調査に応じず協力しないためにこの問題が長期間漂流せざるを得ず、検察首長の席が長く空白状態になった」と話した。 イ・ジョンヒョン大統領府広報首席はこの日記者たちと会って「朴大統領はチェ総長の辞表を受理Sずに、本人が疑惑を解消することを願った」としながら「総長が協力しない状況が長くなれば、検察組織が不安定になりマヒ状態になって重要な国家機能を遂行できなくなる。 このような状態を長くは放置できなくて大統領は法務部の建議を受け入れた」と明らかにした。 法務部監察から始まって総長の辞退および検察独立性き損、組織不安定に対するすべての責任をチェ総長に押し付けているわけだ。 検察関係者は「今回の事態の本質は検察総長が憎いので私生活を暴いて追い出した」と話した。
チェ総長は30日午前11時、最高検察庁で退任式を行い退く。 当分キル・テギ(55)最高検察庁次長検事が総長職務代行を務める。 昨年末ハン・サンデ(54)前検察総長がいわゆる‘検乱’事態で退いた時も後任総長が就任するまでキム・ジンテ(61)当時最高検察庁次長が職務代行を務めた。
法務部は近い将来、次期検察総長候補の推薦手続きに入るものと見られる。 最初の手続きは検察総長候補推薦委員会の構成だ。 チェ総長は推薦委の推薦を通じて任命された初の検察総長だった。 推薦委は法務部長官が任命する9人の委員で構成される。 法務部検察局長、法院行政処次長、大韓弁護士協会長、韓国法学教授会長、法学専門大学院協議会理事長など当然職5人と検事長級以上の経歴を持つ検察出身者、弁護士でない各界専門家3人など非当然職4人で構成される。 今年1月、初めて稼動した推薦委は当時朴槿恵(パク・クネ)当選者側で念頭に置いたと言われる‘公安通’のアン・チャンホ憲法裁判所裁判官とキム・ハグィ前高検長を落馬させた経緯がある。
推薦委を設けた後、法務部長官は推薦委に検察総長推薦対象候補者を提示することになる。 委員はこれらの中から検察総長候補者として3人以上を選ぶ。 法務部長官は委員会の意見を尊重してこれらの中から1人を大統領に検察総長候補者として推薦することになる。 こまめに手続きを踏んでも法務部長官の推薦までには一ヶ月近くかかる。
国会人事聴聞会も任命同意案が提出された日から20日以内に終えなければならないが、追加で10日をさらに使え、最大一ヶ月を消費できる。 全て合わせれば二ヶ月程度が必要になり、早くとも11月頃に新検察総長が任命されうる。 保健福祉部長官、監査院長など人事要因が多くて検察総長人事がさらに遅れることもありうるという観測も出ている。 その場合、検察首長の空白事態は年末まで続くこともありうる。
キム・ウォンチョル、ソク・ジンファン記者 wonchul@hani.co.kr